出演者 眞木 哲夫  2001.03.25
 心と体のクリニック”今日の先生は、眞木哲夫先生で、「健康日本21」のお話をおうかがいしたいと思います。先生よろしくお願いします。今日のテーマはとても大きいものですが・・このテーマはどういうものなのでしょうか?私も先日、新聞やポスターなどで見かけたんですけども具体的なことを教えてください。
 わが国の平均寿命は戦後、生活環境の改善や医学等の進歩などから急速に伸びてきました。その結果今や世界一の長寿国となりました。反面周囲を見回したとき、人口の急速な高齢化と共に食生活や運動習慣等を原因とする生活習慣病が増えその結果、痴呆や寝たきりなどの要介護状態の人達が増加してまいりました。一億層半病人と言われ、市民の方々も疑問を抱いていると思います。

 そこで、21世紀の日本はすべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会つくりのために、従来にもまして健康を増進し、発病を予防する、いわゆる一時予防に重点を置く対策を強力に推進して早世を減らし、要介護状態をも減少させ健康寿命の延伸を図っていくことが重要になってまいりました。

 要するに、いつまでも健康で寝たきりにならないよう目標とするのですね。この「健康日本21」の企画とか推進母体とはどうなっているのでしょうか?
 これは先ほどもお話しましたが、現代の日本人が直面している心豊かで活力ある社会の実現。健康つくりはどうしていったら良いかと言った事からこの健康日本21の誕生の背景があります。

 まずは国レベルで昨年4月に「21世紀における国民健康つくり運動」いわゆる健康日本21がスタートしました。当初の目標として9分野70項目100の指標の設定を行い、それを手引きとして地方自治体が地方計画を策定し地域の市民と一体となって自発的に推進していくというものです。

 未だに成人の50%以上はタバコを吸い未成年者までに広がっているのが現実です。アルコールの摂取においても同様なのが現状ですね。最終的には自分の健康は「自己の管理、責任で・・」ということになります。

 さて、ここからは「寿命」のお話を伺っていきたいとおもいますが、今や日本は平均寿命世界一であると言われておりますけどもこの意味することや関連することを教えてください。
 はいわかりました。とてもいい質問だと思います。今日のテーマである「健康日本21」の各論といいますか、具体的な内容に関しましては、既に核自治体や関連機関が実施計画の基に推進しておりますので、どうかラジオをお聞きのみなさんも一体となって健康つくりの為に実践していただきたいと思います。

 その中の基本理念にもありますが、「寿命」の捉え方についてお話をいたします。人間が生まれてから死を迎えるまでの年数を統計的に算出した平均値が平均寿命になります。 そこには若くして病気や事故で亡くなった方や戦争等で死んでいったすべての方が入ります。即ち平均寿命とは0歳の時点での平均余命を指しているといえます。また、70歳の平均余命とは70歳からあと何年生きられるかを意味しております。ここで問題なのは平均寿命が延びるということは全人口の中で相対的にみればあまり自慢できることではありません

 そうですか?長生きとは昔から素晴らしいことと思っておりましたけど、どうしてですか?
 平均寿命が延びるということは、すべてが健康な人達とは限りません。病気や介護を要する人の増加による生活の質の改善向上に繋がっていないからなんです。もうすぐですが、2025年には総人口の25%が65歳以上者で占められます。医療費も年間30兆円に手が届くまでになっております。
 それでは他の国々はどうなんでしょうか?
 日本以外の国でも男女の平均寿命が70歳以上の所が多くなってきました。ちょっと例をあげますと、オーストラリア・フランス・アメリカ・スウェーデン・スペインなどですが、平均寿命40歳、30歳という国もあります。ちなみに古代から現代までの出世児の余命を見ると青銅器時代のギリシャでは18歳位、約2000年前のローマでは22歳、1900年頃のアメリカ合衆国では49.5歳となり、1991年になり75.7歳となりました。そして1996年の日本が男女平均80.3歳ですね。この数字をみて驚かれたかなとおもいますが・・。
 そうですね、ローマ時代から1996年の日本・・比べましたら約4倍!?ということになりますね。先ほどから寿命についてお話を伺っておりますが、この寿命についてはいろいろな捉え方があると思いました。私は人間は最高120歳くらいまでは生きられると聞いたことがあるんですが本当ですか?
 人間が120歳くらいまでは生きられるということは、おそらく最大寿命を言っているのだと思いますが、今のところ最大寿命は108歳位と言われております。これは1860年代1990年代末までの約一世紀の間に、当初の101歳から108歳まで延びたということなんです。この最大寿命は別名「限界寿命」と呼ばれ、生物学的な細胞分裂の限界から考えると人間の場合はだいたい120歳〜125歳といえるんじゃないでしょうか。ただ、あくまでもすべての条件が満たされた場合によりますね。
 銀さんが108歳まで生きたと思うんですけれど(笑)・・ここまで国の政策であります「健康日本21」。その中で一番の基本になります「生命」「寿命」ということで話を進めてきましたけれども、では寝たきりや要介護の状態ではなく、人間が健康な状態で長生きする為には何が一番必要なのでしょうか。
 「健康日本21」の基本理念の第一にありますが、そこでの目標設定は健康寿命の延伸であります。この健康寿命とは別名健康調整平均余命とも言われ、つまりいろんな生涯を除去した平均余命となります。日本人の平均寿命からみれば約7〜8歳は下がってしまいますね。

 では我々人間が早急実践しなければならないことはなんなのか?と申しますと、「人間は自然の法則に適った生活をせよ。」と言う事なんですよ。生命が地球上に発生してから三十数億年という長い歴史を経て、現在の人類まで進化してきた訳です。それと同時に人間は自然から一脱しすぎた現代社会を築いてしまったのです。人間の持つ生命力は偉大です。この沈滞は私たちが自然の法則に適った生活をしている限りそう簡単に滅び去ることはありません。

 病気もそうです。人間は他の動物と同様に自然治癒力という素晴らしい力を持っています。薬を含め医療というものはそれが病気を治すのではなく、あくまでも個人の自然治癒力のお手伝いをしているにすぎないのです。皆さん独自の生活を考えてください。つまりセールスケアをしてください。

 考えて見ますと、本当に今の日本人というか人間は体に悪いことばかりしているような気がするんですけね、ですから自然治癒力を自然に忘れてしまっているんじゃないかとおもうんですね。それでは最後にまとめとしましてズバリ健康を支えるキーワードを教えてください。
 この世に生きる人間を含めたすべての生物のために環境保全と毎日の生活習慣の改善、特に「食」を考えようです。機会がありましたらこのような番組で皆様と一緒に生命や健康について考えていきたいとおもいます。日常においてなんらかのご意見や質問がありましたら薬剤師会に電話やFAXなどをお寄せください。また、お近くの薬局でご相談されても結構です。
ありがとうございました。