出演者 庄子  授  2001.01.28
 今日の心と体のクリニックでは、「お薬と日常生活動作」についてお伺いします。先生よろしくお願いします。さて、今日なんですけど、特に高齢者の方のお話ということですけども
 本日は特にお年寄りの方について、「お薬と日常生活動作」についてお話したいと思います。皆さんご存知のとおり、昨年から公的介護保険がスタートし、1年が経とうとしております。いわき市の高齢化率は平成11年10月1日現在で18.8%、全国では16.7%と平均を上回っております。また、晩婚などの理由により、女性が一生の間に生む子供の数が、1.38人と減少しております。今後少子化や高齢化の進展に伴いますます高齢者が増え、約40年後にはほぼ3人に一人が高齢者となる超高齢化社会が到来します。

 高齢者が増えることにより、介護を必要とする高齢者も増えてきますし、当然ながら高齢者のほとんどの方が複数のお薬を服用しております。お薬には効き目の作用の他に、副作用・相互作用があり、時にはこの副作用や相互作用が高齢者の日常生活の動作に悪い影響を及ぼすことがあります。

 日常生活の動作に悪い影響を及ぼすとはどんなことですか?
 具体的に「日常生活の動作」といわれますのは、一人の人間が独立して生活するために行う基本的な、しかも各人ともに共通に毎日繰り替えされる一連の身体動作のことをいいます。

 それには6つありまして、まず「食事」・「排泄」・「着替え」・「静養」・「入浴」。そして「キー移動」の6つがあります。

 今、「静養」というのと「キー移動」というのが、私には馴染みがないのですが、これについて詳しくお願いします。
 「静養」といいますのは、たとえば髪をとかす、身だしなみを整える、顔を洗う、という動作を表します。

 「キー移動」というのは、ご自分でお布団もしくはベットから起き上がり、そして車椅子または、椅子に移動といった行動をいいます。

 それでは、それぞれの影響についてお話いただけますか?
 特にこの中で、お薬が原因と考えられる「日常生活の動作」の影響についてですが、まず1つ目が、運動機能の低下。具体的には歩行ですね。歩くということ。後は移動する、そして入浴をする。そして排泄するという動作がありますし、そのほかには、例えば歯磨きとか、髭をそる、もしくは食事ときのスプーンを使うなどの手の運動なども入ります。もう一つ目、食事なんですが、これについてはお薬が原因で食欲不振になってしまったり味覚以上などあります。

 大切なことなのですが排泄には、お薬によって便秘になってしまう、もしくは下痢をしてしまう、後は尿が漏れてしまう、便が漏れてしまうなどもあります。

 次に感覚機能ということですが、私たちにもよくあるとおもいますが、視覚障害、光をまぶしく感じる、視野が狭くなるなどです。

 また精神機能の面では、眠気がでてしまう、不眠になってしまうなどですね。

 お年寄りがよく服用する薬剤の種類を教えていただけますか?
 例えば、皮膚のかゆみで飲みます抗ヒスタミン剤。血圧の高い方が飲む高血圧の薬。夜が眠れないというお年寄りの方によく出ます睡眠薬。後はパーキンソンという病気に対するお薬、もうひとつはお腹の痛みなどに使います抗コリン剤といったものがあげられます。
 これらのお薬を服用してどのような障害が起こるか教えていただけますか?
 今日ご提示いたします症例が3つあります。お年寄りが今まで飲んでいたお薬に新たに新しいお薬が増えたとします。その薬を例えばお飲みになって視覚障害、目に障害が出る場合があります。強いては歩行に対する障害もでてきますし、最終的には家の中で転倒、骨折するといったような重篤なものに場合もあります。

 2つ目ですが、お薬を服用して味覚障害、ちょっと味がない・・ご飯を食べても味の感覚がない、味付けがしょっぱくなるなどから食欲の低下がおきます。、食欲が減るいうことはお年寄りはだんだん体重が減少してしまうという悪影響をおこすこともあります。

 3つ目ですが、お薬を服用して手や手先、足の方へ震えなどがおきる場合には、当然手足が使えませんから運動や動作などの機能の低下などがあります。具体的には歩くこと、階段の上り下り、または入浴する動作です。浴室や浴槽に入る時ですね。最終的には運動機能が低下しておりますので、転倒・骨折に繋がります。

 それではどのような点に注意すればよろしいですか?
 今まで服用してきたお薬はもちろんですが、お薬が増えたときには、本人・家族・介護に関っている方たちが、日常の高齢者生活状況から気づくことが重要です。またかかりつけのお医者さんや薬局の薬剤師さんなどに相談することも非常に大切ではないでしょうか。お薬に関する情報、もしくはお薬の手帳を町の院外処方せんを扱っている薬局では、健康保険の範囲内でお薬手帳を発行して所がありますので是非そういった手帳を活用していただいてお薬の情報、その中には副作用や相互作用など情報として書いてありますので、そういったものを用いるということもいいことではないでしょうか。

 

ありがとうございました。