出演者 関  洋美  2000.07.30
 今日の心と身体のクリニックでは、”学校薬剤師の役割と仕事”についてお話を伺ってまいります。宜しくお願いします。さて、この学校薬剤師というお仕事ですが、この言葉は何度か耳にした事があるんですが、もう学校を離れてしまった私達には内容までわからないので、まず、学校薬剤師について教えてください。
 はい、学校薬剤師というのは学校に常時勤務してお薬を何かするとかではなくて、普通の薬剤師さんが学校保健法によって昭和36年から大学以外の各学校に”学校薬剤師”を設置しようという事になりまして、普通、学校に校医さんや歯科医師さんとかおりますよね。その方達と同じ様に定期的に学校に行って、環境や衛生面について学校の先生方と相談しながら、学校の環境衛星の基準について、きちんと守られているかどうかを行っていく仕事です。

 年に何回か学校にお伺いしてお仕事する事で、常に学校に薬剤師がいるというわけではありません。

 そうですよね。学校薬剤師というとまるで養護の先生の様に常勤していて、『ケガした時に薬を出してくれる』というようなイメージがありますが、学校には年に2回位ですか?
 2回〜3回ですね。仕事のよっても違いますが、私は、最低でも4回位は伺って行っております。
 お仕事のについては次にお伺いすることとしまして、現在このいわき市には何人位の学校薬剤師さんがいらっしゃるんですか?
 掛持ちの方もおりますので、小学校・中学校・高校あわせまして、約60名の先生方がおりますね。私達は福島県においては昭和35年の8月に『福島県学校薬剤師会』というのができまして【公衆衛生の向上や増進に努める】を仕事の目的にして現在に至っております。
 ちなみに先生はどちらの学校に行かれているのですか?
 私はですね、自分の住んでいるところが小名浜なので、小名浜第3小学校と玉川中学校、そして少し遠いのですが内郷高校にお邪魔しております。
 大体お一人で3校位掛持ちしているんですか?
 その方によっても違いますが、私の場合は以前学校薬剤師だった先生が遠くに開業する事になったので、その後を受ける事になったのです。学校薬剤師は文部省管轄ですので、教育委員会を通して辞令を頂くようになっております。
 そうですか。その場所は自分で志願するとゆうのは難しいのですね。例えば、川前とか差塩などの遠い所は大変ですよね。
 そうですね。平の先生方が1日がかりで行っております。車にお弁当を持ちながら行っているようですよ。
 それでは、学校についてからのお仕事についてお話をお聞きしたいと思います。
 まず残留塩素の測定というのがあります。夏になると学校は水泳の時期になり、5月頃からプールを使用しますので、プールの衛生管理として病気にならないように塩素がちゃんと保持しているかどうかを調べる事を行います。また、水道水も塩素が含まれてますので残留塩素がきちんと保持されているかどうかを調べます。

 水道水は学校で毎日保健の先生方が測定しておりますが、年に1回くらいは私達が行って残留塩素が保持されているかどうか測定します。

 保健所のようなお仕事ですね。後はどんなことがありますか?
 教室の空気を測定します。空気中の炭酸ガスの濃度を調べます。学校によって違いますが、年に2回位行います。梅雨の時期と冬のストーブを使う時期に検査します。

 炭酸ガスの検知管などの器具をを持っていくんですが、注射器を大きくしたような形状をしているので小学生達が「これで注射するの」なんて言ってくるんですね。そんな時空気が汚れているか調べる話や、炭酸ガスが教室に多いと頭がボーとなるんだよ等の話をしたりします。

 同時に子供達とのコミュニケーションもとっていらしゃるんですね。
 自分の住んでいる近くの学校なので、それこそ「薬屋のおばちゃんが来た!」って感じで、手を振ってくれますね。
 教室内の空気を調べるとのことですが、騒音なども調べるとか?
 そうですね、町場の学校などは意外と騒音もあるでしょうけど、私の担当している学校ではほとんど騒音はありませんので、今まで検査はあまりしておりません。
 騒音は場所によるということなんですね。ここまで、プール・教室内の空気・騒音とありましたが他にもありますか?
 はい。教室内の明るさ、照度の測定もしております。照度は目にも関係してきますので子供達にとっては大切な事です。明るすぎてもいけませんし、暗過ぎても目に良くありませんので、教室中で大体9箇所位を測定してます。

 教室によってはすごく明るい場所と暗い場所とありますので、蛍光灯を点けて測定したり、お天気の悪い日を選んで測定してみたり、また午前と午後に分けて測定します。時間や季節毎にも違いますので総合して、この教室は照度をもう少し上げないといけないとかのお話をしてきますね。

 そうですか。ケースバイケースなんですね。基準値とかあるんですか?
 そうですね。大体教室で400〜700ルクス位が最適となっております。ですから真夏のカンカン照りの窓側だと1500〜2000ルクス位の明るさになりますので、薄いカーテンを引いてある程度光を遮って下さいとかお話します。
 明るければ良いということではないのですね。それから何かありますが?
 他にはですね、現在覚醒剤などの薬物乱用の低年齢化してますよね。そこでいわき市の保健所とお話しまして去年から、中学校を対象に薬物乱用の教室等を実施しております。薬物とはどういうもので、どの位怖いものなのか、一度くらいならなんてことは絶対ダメだと言う事をお話してます。

 また、高校ではパンフレットを配る程度はしておりますが、今年は講習会を開いてほしいと言われておりますので保健所とも相談して進めて行きたいと思っております。

 今 お話を伺っていますと、学校の環境作りから公害そして非行と本当に多岐にわたってチェックしてるんですね。
 そうですね。それから、高校生で朝ご飯を食べないでくる生徒が多いんですね。以前PTA新聞に載せる記事の依頼を請けた事がありまして、その時丁度保健室におりましたので生徒達に話を聴いてみたんですが、食事が乱れているというか、お弁当も持ってこないとか、インスタント物を食べたりしているんですね。夜もちゃんと食べていない、朝も食べない、お昼はインスタント物ではどうにもなりませんよね。ですからお母さん方にきちんとした食事をしないと子供達の生活にも悪影響を及ぼすし、一生懸命勉強しろといっても勉強できませんよって事をちょっと書かせて頂いたんですけど、そういう風に食生活の指導も普段からお店とかでもやってますおりますので、やっぱり小さい事から啓蒙していかなければならないと思いますね。
 今日はどうもありがとうございました。