出演者 佐藤 陽子 2000.06.25

おはようございます。曽我泉美です。先週の初めからちょっとお天気が続きまして、今年はカラ梅雨になるのかなと心配をしていた方も多いのではないかなと思います。週末からちょっと雨模様になりましたけれども、やっぱり梅雨はこうでなくちゃ。という気持ちもありますよね?いつもはこのオープニングで健康に関する情報をちょっとおはなししてるんですけども、今日は子供に読んであげたい本というのをご紹介したいと思います。「ねずみと鯨」こちらは評論社から1,200円で販売されているものなんですけども、一見地味なんですが、後から、しみじみと切なくなってくる一冊です。ちょっとストーリーをお教えしますと、海に冒険しに出かけたネズミが波にさらわれ、おぼれかけていたところを鯨が助け、親切にもネズミの故郷の海岸まで送っていくというお話なんですね。ふたりは仲良くなりましてネズミは、何かあったら恩返しをすると言うんですが、鯨はこんな小さなネズミだもの、無理だよねと、内心思っていたんです。ところが何年も経って、波に打ち上げられた鯨が死にかけました。そこは、ネズミのいた海岸だったのです。そして、ネズミは友達の象を連れてきて、無事鯨は海に帰れるというわけなんですが、どんなに仲良しでもネズミは海に住めないし、鯨は陸に住めない。だから、二人は、この先二度と再び会えないだろうと思うんですけれども、相手のことは忘れない。向こうも自分のことを決して忘れることはないだろうと思いながら別れる。という、なんだか聞いただけでちょっとジーンときちゃうようなストーリーですよね?こちらは絵本なので、お子さんの情操教育の為に読んであげたら、いいんじゃないかなと思います。・・・それでは今日も健康に関する情報をお伝えしていきます。今日の「心と身体のクリニック」では、佐藤陽子先生に「シミと紫外線」についてお話をお伺い致します。先生よろしくお願いいたします。 

よろしくお願いいたします。 
これからの季節、レジャーなどで海や山など屋外へ出かける機会が多くなりますよね?でも、気になるのは、私達女性の大敵でもありますシミですよね?そこで、シミとその原因となる紫外線対策について、今日はお話いただきたいと思うんですが、人のよってシミのでき易い体質というのはあるんですか?
同じ紫外線量を浴びても、すぐ赤くなり易いタイプや、その後色素沈着を起こし真っ黒になるタイプなどがあるように、紫外線に対する皮膚反応は人によって異なります。「シミ」ので気き安さ易さは、肌の色の白さ、黒さに関係なく、なり易い人となりにくい人がいます。「シミ」になり易いかどうかは家系的な要素、つまり、遺伝によるところが大きいと報告されています。ですから、身内の人に「シミ」ができている人が多ければ、自分も「シミ」になり易い体質だと思って心構えと予防をしておくといいと思います。
では、「シミ」はどのようにしてできるのでしょうか?
皮膚の表皮の一番下の層には、メラノサイトという色素細胞があります。このメラノサイトは、メラニンという色素を作って、周囲の(角化)細胞に渡していきます。やがてそれが表皮全体に広がると皮膚の表面から、古くなった皮膚と一緒に剥がれおちていきます。これが通常のサイクルで、日に当たらなくてもホルモンによりメラニンは作られ、新陳代謝により約1ケ月くらいかけてメラニン色素は消えていきます。しかし、紫外線を浴びるとエンドセリンという物質が作られます。このエンドセリンはメラノサイトに働きかけてメラニンの生成を活発にさせる物質で、その結果メラニンが過剰に作られます。やがて、過剰に作られたメラニン色素は層状に重なり、皮膚の表面に褐色に浮き上がって見えるようになります。これが「シミ」です。「シミ」になった部分では活性化したメラノサイトは通常のサイクルには戻らなくなってしまい、そのままメラニンを作り続けます。
は、出来てしまった「シミ」はどうしたらいいのでしょうか。よく化粧品コーナーで美白剤を見かけますが、効果はあるのでしょうか。
美白剤には、主にメラニンの生成を抑える作用があります。先天性のものや、疾病でできた「シミ」には効きませんが、紫外線が原因で黒くなったり、増えた「シミ」は美白剤で治せます。日に焼けたと思ったら、すぐに使い始めてください。美白剤にはアルブロチン・コウジ酸・ハイドロキノン・エラグ酸などのようにメラニンを作る酵素である「チロシナーゼ」の働きを阻害する成分のものと、油溶性甘草エキスやカモミラETなどのようにエンドセリン(先程も言いましたがメラニンの生成を活発にさせるもの)の働きを抑制する成分のものがあります。複数の有効成分が入っている商品の方が効果も期待できます。ただし、市販の美白剤を使う目安は6ヶ月くらいにし、それでも効果がなければ専門の医師に相談したほうがいいと思います。シミの中には美白剤が効きにくいものもあります。
「シミ」にも種類はあるのでしょうか。
はい。ここでは5種類くらいに分けてみます。1つ目は、肝斑(かんぱん)と言われるもので、女性ホルモンに関与し20代後半から40代の女性に多く見られ両頬や額などにできる比較的範囲の広い褐色のシミです。左右対称に出来るのが特徴で、これが一般的に「シミ」と言われているものです。2つ目は、長年日に当たったことが原因と考えられ、日の当たりやすい場所にできる大小のシミで老人性色素斑と言われるものです。3つ目は、思春期から目立ってくる雀卵斑(じゃくらくはん)=そばかすと言われるもので、遺伝が原因といわれています。4つ目は、かぶれ、虫さされ、ニキビなどの炎症で肌が赤く腫れた後に出来る炎症後色素沈着です。5つ目は、肩や背中など、ひどい日焼けをしたことのある部分に出来る細かいシミで花弁状色素斑というものがあります。中でも、肝斑(かんぱん)、厚みのない老人性色素斑、そばかす、炎症性色素斑については市販の美白剤が有効ですが、厚みのある老人性色素斑や、花弁状色素斑には美白剤も効き目がないようです。
よくビタミンCが「シミ」を薄くするという話を聞きますが。
ビタミンCには、メラニンの生成を抑え、生成されたメラニンを還元して色を薄くする働きがあります。それに、日焼けにより乱れたコラーゲンの修復・維持にも役立つので積極的に摂るべきです。ビタミンCは一度に大量に摂ると吸収率が落ちるので、1日に3〜4回に分け、空腹時よりも食後に摂った方が吸収がいいようです。一日の目安は400mg以上ですが、摂り過ぎると下痢気味になるので注意してください。また、ビタミンCの効果は抗酸化作用によりますが、同じく抗酸化作用のあるビタミンE(アーモンドなど)を一緒に摂ることで効果がアップします。食後のデザートにいちごや柑橘系の果物を食べるのは美容にいいということですね。ちなみに、最近注目されているものに、ビタミンA(レチノイン酸)を使った軟膏があります。皮膚の細胞の生まれ変わりを早める働きや、厚くなった角質層や表皮を薄くする働き、また、コラーゲンを増やしシワも解消する効果があると言われています。(日本では、まだ認可されていませんが、医師がレチニイン酸を自家調合することは認められているので、レチノイン酸を扱っている医師に相談してみて下さい。)
出来てしまった「シミ」には、美白剤やビタミンCの摂取などが有効だということがわかりましたが、やはり作らないことが一番だと思いますが。
なんと言っても「シミ」の原因となる紫外線を防止することが大切です。年間の紫外線の強さ(相対値)は7月にピークを迎えます。次いで5月、8月と続きます。紫外線は、じわじわとシミやシワを増やし、皮膚の老化をもたらすことはもちろん、さらには免疫力を低下させ、最悪の場合には、皮膚ガンを引き起こすこともあります。波長の長い紫外線の52%は、目の水晶体に達し、白内障の原因にもなります。紫外線対策は、女性だけの問題ではなく、男性や子供にも必要なことと言えると思います。
紫外線にも種類があるのですか。
紫外線は波長の長さによって長い方からA紫外線、B紫外線、C紫外線に分けられます。皮膚ガンの原因になるDNA損傷は、C紫外線が最も効果的に引き起こすと言われていますが、B紫外線でも同様の損傷が生じることがわかっています。今のところC紫外線はオゾン層で全てがカットされていますが、普段わたしたちが浴びているA紫外線、B紫外線に問題が多いことがわかっています。A紫外線(UVA)は、生活紫外線ともいわれガラスなども通過し肌の奥までジワジワと入り込んで、シワやたるみなど老化の原因になるものです。B紫外線(UVB)は、レジャー紫外線ともいわれ赤い日焼け(サンバーン)を引き起こしシミやそばかす、乾燥の原因になるものです。
では、日焼けサロンに行けば安心なのでしょうか。
日焼けサロンは、日光とは違いUVAだけを照射するので、サンバーンなどの急激な炎症を起こしにくくきれいに黒くなりやすいのですが、やはり肌の老化は進んでしまい、数年後には、シワやたるみが増える恐れがあります。
それでは、紫外線対策について、具体的にどのようなことがありますか。
紫外線対策にはまず、紫外線の強い時間帯(10時から14時まで)は、屋外活動をなるべく避けるようにします。外出時には日焼け止めクリームなどのサンスクリーン剤を用い、日傘、帽子、サングラス、長袖などを着用します。車で出かけるときは、窓ガラスに紫外線カットフィルムなどを貼るなどして物理的に遮光するのも重要です。最近では、UVA・UVBの両方をしっかり防げるサンスクリーン剤が増えてきました。
サンスクリーン剤に書いてあるSPF、PAとは、何を表しているのですか。
SPFとは、Sun Protection Factor(サンケア指数)の略で、主としてUVBの防止効果を表しています。例えばSPF10というのは、素肌でいるときの10倍UVBの防止効果がある、と言うことです。つまり、何も塗らない肌が25分で日焼けするとしたら、SPF10の日焼け止め製品を塗った肌は、その10倍の250分かかってようやく赤くなる、ということです。2000年1月からは日本化粧品工場連合会によってSPFの上限が50と設定され、それ以上は50+と表示されるようになりました。
それでは、SPFが高いほど効果があるのですか。
ある程度のSPFを越えると防御率は変わらなくなります。数値が大きい方が効果は長持ちしますが、時間が経つと汗や皮脂で流れたり、ムラになったりします。そうなるとせっかくの効果も水の泡です。それに数値の高いものほど一般的に肌への負担が大きく、肌がカサついたりするのでSPF30くらいのものを途中でつけなおす方が効果的です。また、SPF値の異なる化粧品を重ねた場合、値の高い方を先に塗った方が効果的ですが、効果はSPF値の足し算になるわけではなく、高い方の値より若干高くなる程度です。
PAの意味を教えてください。
PAは、Protection Grade of UVA の略で、UVAの防止効果を表しています。PA+は効果がある、PA++はかなり効果がある、PA+++は非常に効果があることを表しています。紫外線を防止するには、日常生活の目安はSPF20前後とPA++くらいでいいそうです。また、レジャーやリゾート地では、SPFは30以上、PA++以上が目安です。さらに耐水性をチェックして下さい。ウオータープルーフと記載されたものを多めに、そして一日に何回か塗り直すことがポイントです。だからと言って過剰に紫外線を怖がって室内で過ごすのでは、せっかくの夏休みがつまらないものになってしまいます。しっかり紫外線対策をして、レジャーを楽しみたいものですね。
ありがとうございました。