出演者 長谷川祐一  2000.5.28

おはようございます。曽我泉美です。またまた新聞を読んでいましたら、衝撃的な記事が出ていたのでご紹介いたします。お酒を呑むとすぐ赤くなるような、アルコールに対して弱い体質の遺伝子を持つ人は、強い人に比べて1.6倍、アルツハイマー病になりやすいと書いてあったんです。これは日本医科大学老人病研究所の教授が、約900人の遺伝子を分析して、こんな傾向があると、つきとめたものでアルコールから生じる「アセトアルデヒド」が、どうやら痴呆症をひきおこす原因のひとつと考えられる為だそうです。私は見掛け倒しでお酒に非常に弱いので、ちょっとドキっとした記事でもありました。みなさんはどうですか?でも、いくらお酒に強いからと言っても、呑みすぎると別な病気になってしまいますから、その辺は臨機応変に・・・それでは今日も健康に関する話題をお届けしていきましょう。今日の「心と身体のクリニック」では、長谷川祐一先生に「お薬手帳のおはなし」をお伺い致します。先生よろしくお願いいたします。 

よろしくお願いいたします。 
先生に、このようにお話を伺うようになって、今日で3回目ですね?いつもわかり易くお話いただいているんですが、今日もまた民間の方に近いお話「お薬手帳」ということなんですが・・・
「お薬手帳」は今年の4月から診療報酬の対象になった項目でございます。以前は健康手帳にいろいろ記載していたものなんですけども、みなさんもその恩恵またはご利用になられた方もいらっしゃるかと思います。我々もできる限り、提供薬局として提供していた部分もございますが、この役割としましては、やはり先般お話の中でも出たと思うんですけども、さまざまな薬のトラブルから守ってくれるお守り、それからお医者さん・歯医者さん・いろいろな方への情報源。医療保健福祉に関わる人の連絡帳。介護保険が始まってこのような方々の各職種の連携が必要になってきますから、大きく分けて3つの役割があると思います。
はい。このお薬手帳なんですが、どこで発行していただいているんでしょうか?
はい。薬局で発行しております。また、一部病院において退院の時に患者さんにお渡しして、その指導の内容を残して患者さんと一緒に退院していただくというような病院さんも出てきております。
はい。じゃ、このお薬手帳をいただいて手にしたら、自分の健康管理と言いますか、自己管理にも役立てるということなんですが、このお薬手帳は、誰が見るものなんでしょうか?
ええ、まず、一番大切なのは患者さん独自のものであるということですね。[見せる見せないも患者さんのご意志ですよ]ということになります。そして見ると思われる方はいろいろ考えられます。まず一番は患者さんの家族、或いは知人ですね。それから我々薬剤師。薬剤師も病院の」薬剤師さんと薬局の薬剤師がいますので、そういう方が見ると思います。また、お医者さん、歯医者さんも見ます。歯医者さんでも、歯を抜く時や切開する時には、やはり血が止まらまいなどのトラブルが生じるときがあります。そういうお薬を飲んでいる方は、ここに記載し、更に「これ飲んでるよ」とひとこと言っていただければ、歯医者さんも「あっ、そうか」これならばこのような治療を、或いは少しの間、薬を中止して一週間くらいおいてから治療を始めようというように、具体的に考えてくださる先生方もいらっしゃいます。そして看護婦さんですね。看護婦さんにも訪問看護婦さんや病院の看護婦さんもおります。それから健康相談をなさっている保健婦さんなんども見ます。今回の介護保険等でケアの中心になってくる介護に携わっている皆さんもですね。具体的に申しますとヘルパーさん・介護支援専門員、つまりケア・マネージャーさん。ソーシャルワーカーさん、また、理学療法士さんや作業療法士さん、そして福祉医療の分野のさまざまな方が、皆さんの健康或いは病気からの回復のために、この薬を役立ててくれるということになりますので、患者さんが、この人に見せれば自分のためになるんだと思われる方に見せていただきたいと思います。
(音楽)今日はお薬手帳についてお話をお伺いしています。さて、先程お話にもありましたようにお薬手帳は本当にたくさんの方が見て、いろんなことに役立つと思うんですけども、こちらのほうのお薬手帳が得られる効果を具体的にご説明いただけますか?
はい。プライバシーの保護についても最大限に配慮しています。各職種の方々は、研修等で勉強していますので、このプライバシーを守ることに関する意識、或いはその手法のついては非常に才たけた方々ばかりですので、何の心配もありません。それから、ご質問の効果ですが、皆さんがいただいているお薬の薬歴を一元的に管理しながら、重複投与や総合作用などの危険な部分を安全に保つということにお薬手帳の効果が集約されているのではないかと思います。
たとえば、二つの病院に通っているなんていうときには、お薬は別々に出ますので、そういう時の飲み合わせとか、そういったことも考えられるんですか?
ええ、それは総合作用という形になります。患者さんご自身の食べ物の趣向によって、使うお薬、使ってはいけないお薬がでてくる場合があります。それから、こういう食べ物はダメだよ、という部分もあります。やはり、食べ物の総合作用も含めて管理できるようにしていると思います。先程歯医者さんの話のもでましたように、この薬を飲んでるから治療方針が変わる。或いは薬を止めてこの治療をするというように先生も治療方針を立てやすくなりますので、スピーディーに安全に、治療や診察を受ける手法のひとつに位置づけられるのではないかと思います。また二つの薬局あるいは二つの病院にかかっている場合は、それぞれの薬局で違う管理もしてますので、お薬手帳を見せて患者さんが自分の情報、つまり自分のお薬の情報と共に持ち歩くことが一番確実な方法ではないかと考えられます。
(音楽)それでは、お薬手帳について薬局でしていただける事を具体的に教えてください。
はい。患者さん個人個人のニーズ(必要性)に応じて変わってくるものではありますども、まずは、処方歴の記載、患者さんから聞き取って、これは書きとめておいた方がいいと思う部分を記入します。たとえば、必要事項というのは、やはり基本的情報になります。住所、氏名、年齢、電話番号、それと患者さんの情報に合わせたお薬の効果の説明と内容ですね。例えばアダラートというお薬があれば、「カルシウム拮抗剤です」と書かないで「血圧のお薬です」とか「胃の調子を整えるお薬です」とか。まあアダラートはそういうお薬ではないんですけども、そのような表現で書いていただくということになってくると思います。それから受診情報ですね。他のお医者さんにかかってるか、同じ病院でも違う科にかかって、どのようなお薬が処方されているか、先生方にお知らせする役割もあります。また、併用している薬剤、副作用歴、私なんかは、セファメジンという注射剤でアレルギー反応が出て手が真っ赤にはれ上がった経験があります。テストをした結果なども記載してあれば、その系統のお薬は使わなくって済みます。このようにお薬を使う上での皆さんの安全性を確保できるのではないかと思います。集約的に言いますと、安全性を保つためのひとつの手法、道具と考えていただければ幸いです。
はい。薬局に処方せんを持っていく時に、初めてだと、いつもアンケートを書かなければいけなかったので、このお薬手帳ひとつあれば、そのようなわずらわしさもなくなりますね?
そうですね。本当に患者さんが言いたい事。患者さんが伝えなければいけない事を端的に、このお薬手帳で医療関係者に、或いはお医者さん達に伝えることができるのではないかと期待しております。
それでは先生、きょうのまとめをお願いします。
お薬手帳をお使いになる方にお願いなんですが、あくまでもこの手帳はご自身のもので、使い方はご自由なんですけども、見せる見せないはご自身の責任でという形になりますので、この点をよく把握なさってお使いになってください。先般、新聞等で健康保険証のICカード化が話題になっています。個人情報がその方といっしょに歩く時代が間近に迫っています。少なくともお薬に関する情報はこれを使うご自身がいっしょに携帯なさって動くことになってくると思います。皆さんと共に薬の有効性・安全性を保つために、このお薬手帳を普及させていただければと思っております。
(音楽)いかがでしたか?薬歴が一目でわかるお薬手帳は、ご近所の調剤薬局で処方せんをお持ちになり、お薬をいただく時に発行してくれます。ご自分の身体の管理の為にも、このお薬手帳を有効に利用してみてはいかがでしょうか?それでは、素敵な日曜日をお過ごしください。お相手は曽我泉美でした。