出演者 長嶺 雅明  1999.08.22
 今日の心と身体のクリニックでは、健康避妊薬ピルについてお話を伺ってまいります。

 さて、このピルですが、避妊薬としては長い歴史がありますが、このたび約9年の審議をえまして日本でも低用量ピルが認可されのましたが、この認可にいたった経緯を教えてください。

 アメリカでは、初めて中用量ピルが認可された後、日本に月経異常の治療薬として輸入され、経口避妊薬としても申請がされていました。その後、外国などではホルモン含有量の少ない安全性の高い低用量ピルが普及している現状があることなどから、日本におきましても1990年から製薬各社が申請を行っております。それから約9年審議がされてきましたが、低用量ピルがエイズを始めとする性感染症の拡大を招くことが、懸念されたり、あるいは環境ホルモンとの関連性が取り沙汰されたり色々議論が挙げられました。もともと、低用量ピルは健康な女性が服用するものなので、各関係者が多方面から慎重に協議を続けてきたわけです。

 そして今年6月16日、様々な問題がクリアになったことを受けて、厚生省によって正式に承認されました。

 より簡単に求めやすくなりということですが、始めに経口避妊薬ピルについてどういうものなのが教えてください。
 ピルは、2種類の女性ホルモン、黄体ホルモンと卵胞ホルモンと言いますけれどもこれを主成分とした避妊を目的とした錠剤です。アメリカで1960年に発売されたのが最初で、この頃はまだホルモン量の多い高用量ピルが使われていました。その後改良が加えられ、1970年代以降は体に及ぼす影響の少ない低用量ピルが使われるようになりました。現在では欧米をはじめ世界各国の女性の間に低用量ピルが、広まっております。
 1960年に初めて発売されたということですが、その歴史を簡単に教えてください。
 経口避妊薬ピルは、米国食品医薬品局(FDA)から、1960年に初めて認可され、現在まで約40年の歴史があります。この40年近い歴史の中で、まず初めに、血栓・塞栓症や発ガン性等の問題から卵胞ホルモンを減らす努力がされてきました。そしてその後、喫煙と心筋梗塞の問題から黄体ホルモンが低減されまして、様々な成分及び投与法も含め、より高い安全性を求めて改良され、進化し続けてまいりました。

 このように安全性の面で多くの改良が加えられ続けてきた経口避妊薬は、副作用等について最も研究がなされてきた薬ともいえます。また、その避妊効果の確実性から世界各国の女性に使用されており、全世界でこれまで約1億5千万人以上の女性が服用してきたといわれています。現在も9000万人以上の女性が服用していると推定されており、恐らく薬の中で最も広く使われてきたのではないかと思うます。

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 経口避妊薬ピルにはいくつかの種類があるということですが、どういったものがあるか教えてください。

 今回発売予定の経口避妊薬ピルにはいろいろな分類のしかたがあるんですが、黄体ホルモンの違いのよる分類ですとか、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの混合比の違いによる分類、それから一周期の服用日数の違いによる分類、服用開始日の違いによる分類などこのような分類があります。

 まず第一番目に黄体ホルモンの違いのよる分類では、ノルエチステロンが含まれているもの、レボノルゲストレルが含まれているもの、テソゲストレルが含まれているものの3種類があります。

 2つ目の卵胞ホルモンと黄体ホルモンの混合比の違いによる分類では、1服用周期中にこの卵胞ホルモンと黄体ホルモンの混合比が全く同じなのが『1相性ピル』、混合比が異なるのが『段階型ピル』です。この『段階型ピル』はさらに、両ホルモンの混合比が2段階に分かれる『2相性ピル』と3段階に分かれる『3相性ピル』に分類されます。

 次に一周期の服用日数の違いによる分類につきましては、21日間服用ピルと28日間服用ピルがあります。21日間服用ピルは1シート21錠全てにホルモンが含まれており、21日間1日1錠服用した後、7日間は服用を休みます。28日間服用ピルはホルモンが含まれている21錠の錠剤と、ホルモンの含まれていない、作用のない7錠の錠剤が一つのシートにおさめられています。28日間毎日、1日1錠を服用し、1シート全部の錠剤を飲み終えたら、服用を休まず続けて新しいシートの錠剤の服用を始めます。

 そして、服用開始日の違いによるものは、服用開始日の違いに応じて、月経開始第1日目に服用を開始するピルと月経が始まった最初の日曜日に服用を開始するピルがあります。避妊効果は、どれも変わりませんが、体質の違いによって合う合わないというのもありますので、医師または薬剤師に相談してください。

 飲み方など色々ありましたが、まずこの低用量ピルなんですが、どういった作用で避妊できるのか教えてください。
 低用量ピルに含まれている2種類の女性ホルモン(黄体ホルモンと卵胞ホルモン)の働きで、服用中は排卵が起きない状態が続き妊娠を防ぐことができるという仕組みです。また、その他にも低用量ピルには、受精卵の着床を防いだり、子宮内に精子が入りにくくなるという働きもあります。
 はい、それでは、この低用量ピルはどの位の避妊効果があるのですか?
 低用量ピルは最も効果的な避妊方法のひとつで、正しく服用すれば効果は避妊手術に匹敵すると言われております。効果を確実にするためには、指示どおり飲み忘れなく服用する必要があります。低用量ピルは飲み忘れなどを含めた一般的な使用における妊娠率は5%と言われております。1周期中で飲み忘れた錠剤が増えると妊娠の確立も増加します。ちなみに、コンドームの場合は、理想的な使用の場合で3%、そして一般的な使用の場合は14%の妊娠の可能性があります。

 低用量ピルの成分は腸で吸収されて効果を発揮します。吐いたり下痢をしたりすると腸からの吸収がされにくくなり効果が弱まります。またある種の薬も低用量ピルの効果を弱めます。低用量ピルを服用中にこれらのことがありましたら、必ず医師にご相談ください。

 さてこの低用量ピルなんですがどういった方法で入手したらよいのでしょうか?
 高い避妊効果を期待できる低用量ピルですが、誰でも簡単に薬局で買えるものではありません。低用量ピルは医師の指導もとに正しく使用されることが大切ですので、必ず医師の処方せんが必要となります。
なるほど、先程服用の中でいくつかの種類があると言われてましたが、21日間服用ピルとか28日間服用ピルそれから中でもホルモンの含まれる容量が違うもの話がありましたが、これは、患者さんの体の状態の合わせて医師が処方するということなので簡単に薬局に行って明日からピルが飲めるということではないということですね。
 そうですね、また低用量ピルを正しく服用するには、その有効性・安全性・副作用、性感染症等の知識をもつこともとても大切です。また、健康状態を確かめる為の検査を受けることが、副作用の予防につながります。このため十分なカウンセリングを受けられる医療機関を受診して処方してもらってください。
 それでは、気になる1ケ月分の服用者価格はどの位でしょうか?
 この低用量ピルは健康保険の適用外ですので、それぞれの施設や医師によって検査内容等異なっており一概には言えません。各医療機関にお問合せください。
 それでは最後にこの低用量ピルはいつ頃から入手できるようになるのですか?
 大体9月上旬くらいに各社から販売されるのではないかと思います。
 ありがとうございました。