出演者 青木裕代  1999.06.27
 今日の心と体のクリニックでは、もしものとき・野外での応急手当について、お話をお伺いします。

 さて、これからのシーズン野外でのレジャーが多くなってきますよね。例えば山登り、ハイキング、バーベキューなどなんですがこういった野外活動中に捻挫、骨折、けが、やけどなど、こういったのは本当につきものじゃないかと思うんですが、今日は周囲にあるものや手持ちのもので処置する方法について先生におうかがいしたいと思います。

 まずは、けがと出血ということなんですがこれについてお話下さい。

 けがをして出血したら、あわてないで止血するようにして下さい。傷口が砂とか泥などで汚れているようなときは、水で洗って汚れを落としてください。野外では、水筒の水とかミネラルウオーター、川の水などを利用します。麦茶やウーロン茶、ジュース類などでも代用できます。
 ジュース類、あの果汁入りのジュースとかでも大丈夫ですか
 そうですね。応急の場合はそういったもので、しかたないでしょうね。
 とりあえず、ばい菌といいますか紬菌を洗い流すということなんですよね。そ して血が出てしまった場合の止血法はどのようにしたらいいですか。
 はい、清潔な手ぬぐい、タオル、ハンカチなどを傷口に当て、まっすぐ力を入 れて、最低3分間は押さえてください。押さえている途中で、手をゆるめたり、 傷口の様子をのぞいたりしないようにしてください。
 これはなぜでしょう。
 そうですね。傷口の手をゆるめて見てしまうと結局止まっていたのが、また出てくるようになっちゃいますので。
 はい、手を止めずに止血を、血が止まるまでがまんするということですよね。では、出血がおさまりましたら、どのようにしたらよろしいでしょうか。
 そうですね、救急絆創膏といって、あのう絆創膏にガーゼがついた傷絆がありますよね、あれをを貼るか、清潔なガーゼおおって、その上から絆創膏止めるとか包帯を巻いておくようにします。このときもし手持ちで消毒薬があれぱ消毒しておいて下さい。
 はい。それでは例えばボールが顔面に当たってしまったとか、そういった場合鼻血が出てしまうと思うんですが、これはどのように止血していったらよろしいでしょうか。
 はい。鼻に脱脂綿とかガーゼを詰めまして、頭をやや前に傾けます。親指と人さし指で鼻をつまんで下さい。脱脂綿やガーゼをつめるときは、全部をつめこまず、後から出せるように一部を鼻からだしておくようにして下さい。

 またよく頭を後ろにそらして、というか顔を上にむけて首の後ろを叩くことがありますが、それは鼻血がノドの奥へ入り吐き気の原因にもなりますので、それは止めるようにしましょう。

 あの、よく、ね、見られる光景ですよね。上を向きながら後頭部のところをコンコンとたたく感じ、あれはなんでああいうことなんでしょうね。
 結局上を向くことによって出た血がノドから入っちゃって吐くとか気管に入るのもありますから、そういうことはしないようにしたほうがよいと思います。
 外に出さないで中に入れるという行為なわけですね。あれはね。例えば、すごく血がいっぱい出ているとき、そういった場合はどのようにしたらいいんですか。
 ピュッ、ピュッとふき出すように出ているような時だと動脈に傷がついている時があると思いますので、そういった時とか、大量に出血してしまっているようなときは、緊急事態ですので周囲の人の応援などを頼むなどして救急車を呼んでもらったほうが安心ですね。
 たかが鼻血されど鼻血ですよね。なんか変ない言い方ですが。それでは傷口がけっこう深くて、ガァーと中の肉なんか出ちゃっているような、そういった場合はどうでしょうか。
 そうですね。黄色い脂肪とか赤い筋肉が見えている場合とか、皮がそぎ落とされた傷とか、例えば包丁などで指先をそいでしまったような時とか、あと見た目には小さいですが刺し傷ですね、皮膚とかを貫通して、筋肉とかまで達しているような刺し傷などは、破傷風菌などの菌が中にはいってしまうようなこともありますので竹とか木とか刺してしまったような傷のときとか、そういったときはすぐ医療機関にいって先生に診てもらったほうが安心ですね。

 それとあと、時間を追うごとに痛みがひどくなってきたとか傷の状態がひどくなってきたときもすぐ医療機関で治療を受けるようにして下さい。

 先ほどは切り傷とかけが、出血を伴うようなけがについてお話をお伺いしたんですが、今度は捻挫や骨折のお話をうかがいます。

 例えば山登りをしていて、ちょと大きな岩につまずいてこけてしまった場合、足を捻挫してしまうなんていうこと考えられると思うんですが、こちらのほうはどのようにしていったらいいか教えて下さい。

 はい。捻挫と骨折を外見や症状から正確に見分けることは大変難しいです。それですから痛くて動かせないときはもちろんのことなんですが痛みが少ない場合でも、骨折していると考えて手当をしてください。

 もし傷や出血があれば、その手当します。そのとき患部を曲げたり、強く動かしたりしないようにして.ください。次に患部を曲げない、動かさないようにするために、副え木で固定するようにします。捻挫や骨折をすると、多くの場合、患部が次第に腫れてきます。腫れに備えるために、副え木を当てると同時に、冷やすようにして下さい。患部の処置を行ないましたら、負担やショックを与えないように気をつけつけて、できるだけ早く医療機関に行って先生に診てもらうようにして下さい。

 はい。野外では、なかなか副え木の代わりになるもの、あとシップの代わりになるものを見つけるのは難しいと思いますが、何か代用できるものというのがあれば教えて下さい。
 はい。そうですね。副え木の代わりとしまして、木の枝とかそれから持っていれば折り畳み傘のようなものでもかまいません。また杖とか雑誌、重ねた新聞紙、ダンボール、あれば座ぶとんとかでもかまいませんね。指の場合でしたら割り箸なんかでもかまいません。
 それでは冷湿布はどうでしょうか。
 水に濡らしたタオルですね。それとクーラーボックスなんか持っていっていれば中に入っている保冷剤なんですが、保冷剤でしたら硬いのじゃなくて軟らかい保冷剤ですね。それと氷とかその保冷剤などはタオルでくるんで冷やすようにして下さい。
 はい。硬いものより軟らかいものを保冷剤として持っていったほうが、こういったけがの時役にたつんじゃないかということですよね。それでは手を固定するための包帯や三角巾はいかがですか。
 はい。そうですね。タオルとか手ぬぐい、バンダナ、スカーフ、スーパーの袋、Tシャツなんかも破るとまではいかなくても巻いてしっかり止めるようにして下さい。
 今日は、野外でのけがの応急処置についてお話をお伺いしていますが、その次はやけどについてですよね。まずやけどをしてしまったらまず最初にする事ということはなんでしょうか。
 はい。やけどをしてしまいましたら、できるだけ早くやけどをした部分を冷やすということです。やけどをした所には、熱による炎症や組織破壊などが急遠に進みます。これらの進行を食い止めるために、冷たい水で30分以上、痛みと熱さを感じなくなるまで冷やし続けてください。冷たい水とは限らず、水道の水、氷、濡れたタオルでも、患部を冷やすことのことのできるものであれば、かまいません。
 はい。自然の中にある水といえば、川、ていうのを思いつくと思うんですが、川の場合はどうでしょう。
 はい。川の水で結構です。川の水にすっぽりやけどした部分をを浸してしまうとか。移動するときでしたら、タオルを濡らして冷やしたままそのまま移動するようにして下さい。それと川が近くにない場合は、水筒の水や清涼飲料水などでタオルを濡らして冷やしてかまいません。

 それと先程けがの時に話しましたけれどクーラーボックスに入っている軟らかい保冷剤とか氷とか、それらをタオルなどにくるんで、やけどした部分に静かにそっと当てて冷やして下さい。

 はい。それではですね。たいがい衣服におおわれた部分に、ガァーと熱いお湯をかけてしまった、なんてあると思うんですが。そういった場合はどうしたらよろしいですか。
 そうですね。服を着ている部分にやけどをしてしまったような時ですが、皮膚に服がはりついてはがれない場合があります。そういった場合は、無理に剥がすことなく、無理に剥がしますと皮膚がやぶれたり剥がれたりしてしまいますので着たまま水をかけたり、水に浸したり、濡れタオルでくるむなどして、患部を冷やすようにします。冷やしたあとなんですが、清潔なガーゼとか布などで、おおって、医療機関にいくようにします。
 やけどを服の上からしてしまった場合は、服は脱がせないでそのまま冷やすということが大切なんですよね。後やけどをした場合しばらくたつと水ぶくれができてくると思うんですが、これの処置はどのようにしたらよろしいんでしょうか。
 そうですね。水ぶくれができてしまいましたら、それを無理に針でつついたり、なるべく破らないようにして下さい。破ってしまいますと痛みが増しり紬菌などに感染しやすくなるほか、大きな部分でしたらそこから体の水分がどんどん抜けていってしまうことになります。
 水ぶくれがある場合ですが、なにかでおおったほうがよろしいということですか。
 そうですね。野外でしたら、もしキャンプとかバーベキューでしたらアルミホイルとかラップとか持っていっていましたらば、それらでおおってその上から濡れタオルなどで保湿するようにして下さい。
 やっぱりやけどをすると、その患部がすごく熱をもって熱いですから、冷やすということが重要なことなんでしょうね。それからやけどをした時に体の何%以上やけどをすると生命の、まあ、皮膚呼吸ができなくて、という話をよく聞くんですが、やけどの広さ、深さなどについて教えて下さい。
 はい。まずやけどの広さなんですが、やけどをした方の手のひらの面積をだいたい1%とします。それでやけどの面積を計算します。そのときは患部に手のひらを触れないようにしてください。一般的に約1%以上の広さのやけどは、軽度でも医療機関にいくようにして下さい。
 次にやけどの深さについてはいかがですか。
 やけどの深さは、T度からV度までに区分されています。T度ですと皮膚が赤くなり、ヒリヒリ痛む程度のやけどですね。激しい日焼けもこの区分にはいります。このやけどは傷あとものこらないで、数日くらいで治ります。

 U度のやけどなんですが、皮膚の真皮にまで達したやけどで、水ぶくれができるのが特徴ですね。このやけどですと広さ0.5%、手のひらの半分くらい以上水ぶくれのできたやけどでしたら、医療機関にいって診てもらうようにして下さい。この程度のやけどの広さで25%以上になると、命にかかわることがあります。

 V度ですと、毛根や汗腺にまで達してしまった重度のやけどになります。皮膚が再生することは難しいです。皮膚移植などの治療が必要になります。V度のやけどの広さが、10%以上になりますと、命にかかわってきます。

 はい。今それぞれで教えていただいたんですが、深さと広さであわせてみる重症度というのを教えて下さい。
 そうですね。まず重症度といいますと軽度、中等度、重症とます。軽度なんですが、軽度ですとU度、U度っていいますと先ほどお話しました皮膚の真皮まで達したやけどで15%未満くらい、V度で毛根や汗腺にまで達してしまったやけどですと2%未満が軽度になります。

 それから中等どですとU度のやけどで15%以上の広さV度のやけどで2%以上の広さです。

 重症になりますとU度のやけどだ25%以上V度のやけどで10%以上のやけどになります。

 はい。そういった、この程度の、重症度っていうの、おそらくお医者さんの方が診られてくると思うんですが、やけどをした場合味噌や醤油などを塗ると冷やされていいよっていうことを小さい頃、聞いたんですがそれは、どうなんでしょうか。
 そうですね。民間療法でよく味噌とか醤油を塗るとかありますけれど、これをしますと細菌感染を起こしやすくなりますので、こういうのはしないようにして下さい。あとアロエとかチンク油などもなるべく塗らないようにして下さい。
 はい。わかりました。それでは最後に野外活動での注意点といいますか、そういったことを一言お願いいたします。
 そうですね。野外での活動にはある程度の緊急用品などは、持っていくようにしたほうがよいとおもいます。傷がそんなに医療機関に診てもらわない程度の傷でも後のケアをしっかりして、なるべくできるだけ早く応急手当をして医療機関に診てもらって下さい。
 はい。先生、ありがとうございました。