出演者 熊谷益孝  1999.05.23
 お子さんに関係の深い薬、薬剤についてどの様なものがあるか、まずはその種類を教えていただけますでしょうか。
 液剤、液体の薬ですね。こちらは最も吸収が良いお薬になっています。1回分を指示された用量を計って服用していただきます。

 散剤、粉薬ですね。細かい粉状の薬で吸収率もいいお薬です。但し中には味が悪かったり、飲みにくいものもございます。穎粒剤、薬を粒状にしたもので、噛んだり、つぶしたりしないで服用します。

 ドライシロップ剤、細かい粒状のお薬で服用する時に溶かして服用します。溶かしましたらばすぐに服用してください。時間をおきますと薬の効果が落ちてくる可能性があります。

 錠剤、このお薬は薬剤を圧縮しまして一定の形にしたもので、薬の表面は膜におおわれております。

 坐薬ですね、こちらのお薬は肛門から入れて体内で溶かしまして粘膜から吸収させます。こちらのお薬は吸収が早いのが特徴になっております。ただしですね坐薬の場合は、便の中に入り込んだり、下痢等で排出されやすいという難点もございます。代表的なお薬には解熱剤、ひきつけのお薬などがあります。

 次に外用剤なんですが、軟膏とかローション・クリーム剤、こちらのお薬に関しては皮膚に直接塗って湿疹やかぷれ・ただれ等に作用させます。

 点眼剤、こちらは眼の粘膜に液状の薬剤を滴下して使用します。一般的にはこの目薬に関しては開封後一ヵ月経過したようなお薬は、基本的には使用しないほうが望ましいと思います。

 吸入剤、こちらは鼻や口に吸入器に入れた薬剤を噴霧して粘膜から吸収させます。

 子供さんむけとはいえ、本当にいろいろな種類のお薬が有ると思いますが、この飲み方具体的な服用方法ですが、どのようなものが有るんでしょうか。
 一般的に申し上げていることなんですが、食前投与・食後投与・食間投与・頓服こういった用法がありますね。

 まず食前投与の場合は概ね食事の30分位前に服用します。食後の投与の場合は食事の30分位後に服用します。食間投与に関
しては食事と食事の間に服用します。こちらは食後2時間位が見当だとおもいます。

 頓服薬なんですが、熱が上がったり痛みがひどい時など症状が出た時に一回分だけ服用します。一日何回と規則正しく服用するお薬ではありません。ただし用法については処方される先生の指示に従って服用していただきたいと思います。

 いろいろな種類のお薬が有りましたけれども、それぞれのお薬について飲み方の注意事項などありましたらご紹介いただけますでしょうか。
 まずシロップ剤なんですが、こちらのお薬は容器をよく振りまして1回分の用量をスポイトか又は計量キャップにとり服用します。なお直接容器から飲ませないようにしていただきたいと思います。

 次に散剤、顆粒剤とかドライシロップ剤も含みますけれども、乳幼児の場合には少量の水で練った薬をお母さんの指をきれいに洗ってから、子供さんのほっぺの内側にぬりつけて、そのあと水やぬるま湯などをスプーン又はスポイトなどで服用させて下さい。なお水で練った時には、なるべく早く服用した方が良いと思います。先ほども申しましたけれども時間をおきますと効カが落ちてきますから。

 次に錠剤やカプセル剤、こちらのお薬は一般的な目安としては5才以上から飲むようなお薬といわれております。こちらのお薬は予め水を含ませてから服用すると比較的飲みやすいようです。できればコップー杯の水かぬるま湯で服用させて下さい。こちらに関しては少量の水で服用しますと、お薬が固形ですから食道に停滞して、その部分で炎症を引き起こす可能性がございます。また固形状のものが飲めない場合、つぶして服用させたり又カプセルは開いて服用する場合もありますけれども、薬によっては効力がなくなってしまうものや苦味が強くなったりしてくる薬剤もございます。又効果を持続させる為につくられたお薬もございますのでこの件に関しましてはお医者さんに診てもらった際に先生にその旨御相談下さい。

 次に坐薬です。このお薬は使用する時にできれば、水やグリセリンなどで予め濡らしてからお尻に入れていただくと痛がりません。又使用する時は、できるだけ排便を済ませてからにすると良いと思います。これはお尻に入れる時の刺激で便意を催しまして坐薬が排出されるのを防ぐ為です。挿入しましたらば1〜2分肛門を押さえていて下さい。それでも出てしまいましたらば、もう一度挿入して下さい。挿入した後30分以上経過して出てしまった場合は6時間位待ってからもう一度使用すると良いと思います。

 このお薬に関しましても例外的に使用方法が異なる薬剤も有りますので必ずお医者さんかもしくは薬局の方にお聞きになって下さい。また坐薬に関しては、半分もしくは2/3使用する場合もございますが半分使用する時は、斜めにカットして使用して下さい。それと坐薬の保存の方法ですが、こちらは溶けやすいもんですから冷蔵庫で保存して下さい。

 お子さんとお薬の関係について色々なお話を伺っているわけなんですが、赤ちゃんにお薬を飲ませるのって難しいですよね。赤ちゃんにお薬を飲ませる時の注意事項ありましたらご紹介ください
 お薬に関しては授乳する10分位前に飲ませていただきたいと思います。お腹が空いていますので飲み具合が良いとおもいます。薬を服用した後30分以上経過しまして吐いてしまった場合、飲ませ直しはしないほうがよろしいかと思います。ただし例外的に5分以内に吐いても飲み直しができない薬剤も逆にございます。

 薬を母乳やミルクに溶かして飲ませないでいただきたいと思います。これはミルクの味が変わることによって以後ミルク嫌いになる可能性があります。又混ぜたミルクを飲み残すとお薬も必要な分だけ飲まなかったことになりまして十分に効力を発揮できません。又薬によってはミルクの成分と結合して十分に吸収されないものもございます。

 粉薬の上手な飲ませ方なんですが、2才位までの子供さんに関しましては、粉ワサビを溶くように薬を少量の水又はぬるま湯で練ってぺ一スト状にしまして、お母さんの指につけて子供の頬の内側の奥の方にぬりつけてあげて下さい。生後3ケ月位までは味があまりわからないので薬の味をあまり心配する必要はないと思います。また穎粒の場合はそのままお母さんの指にぬりまぜ赤ちゃんのほっぺの内側にぬりつけると良いと思います。

 また液剤の飲ませ方は、プラスチックのスポイトに1回分とりタイミングよく口の奥の方たとえば頬の内側におとしますね。こうすると良いと思います。1回分全部を一度に口に入れずに少量ずつ飲ませ口なおしに水やミルクを与えてもよろしいと思います。

 色々な飲ませ方のコツがあるということですが、もし小さいお子さんや赤ちゃんが薬を吐いてしまった場合どうすればいいんでしょうか。
 服用直後に吐いてしまいましたらば同じ量をもう一度服用させても良いと思いますが、30分〜1時間経過してから吐いた場合はもう一度飲ませる必要はないと思います。

 但し薬によっては、飲み直しをしない方が良いお薬もありますので念のため先生や薬局の窓口で質間してみて下さい。

 薬の飲ませ方で定期的に飲まなければいけない薬があると思うんですが、その薬の時間に眠ってしまっていた場合これはどうすればいいんでしょう。
 起こしてまで飲ませる必要はございません。安静や睡眠も大事なものです。但し、服用を守らなければいけないお薬もありますので、これも先生や薬局の窓口でご相談して下さい。
 小さいお子さん、薬が苦いというイメージがありまして、薬をいやがると思うんですね。そんな時に例えばジュースなんかで、甘い味でごまかして飲ませるなんていう方法あるかと思うんですが、これはやってもいいことなんですか。
 薬の味をかくす為に牛乳やジュースなどで飲ませることはできるだけしないほうが良いと思います。基本的にはどんなお薬に関しましても、水かぬるま湯で服用するのが基本になっております。薬の中には牛乳やジュースの中の成分と結合しまして効力を低下させるお薬や、又ジュースなどは酸性ですから効果が低下たり、かえって味が苦くなって飲みずらくなります。
 但しどうしてもこの方法ようするにジュースや牛乳などでしか薬を飲めない時、これは薬剤との関係を処方された先生や薬局の窓口で相談してみて下さい。又、嘔吐、下痢症の時等は、ジュースや牛乳などで服用しないで下さい。
 わかりました。それではお子さんが薬をうっかり飲み忘れてしまった時こういった場合は、どうすればいいんでしょうか。
 一度に2回分は服用させないでいただきたいと思います。2回分服用しますと副作用等が発現してくる可能性がございます。例えば昼に飲み忘れましたら気付いた時に飲んでいただきまして、また夜ねる前にもう一度飲むということをしていただきたいと思います。服用時間に関しては、6時間以上は間隔をあけて飲んで下さい。
 わかりました。色々な注意事項がありましたが、それではもう一度薬の飲ませ方のポイント、こちらの方をまとめてご紹介下さい。
 できるだけ子供さんの機嫌の良い時を見計らって飲ませるようにしていただきたいと思います。また何かに混ぜて飲ませる時は、作っているところを子供さんに見られないようにしていただきたいと思います。

 それとお母さん方が飲ませると思うんですが、笑いかけてあげながら飲ませて下さい。そして飲んだら必ず褒めてあげて下さい。又よく飲めたらばごほうびをあげてやるのも良いと思います。年長児の方は、なぜこの薬を飲まなければいけないかを子供さんに納得させてから服用させて下さい。決して無理強いはしないほうがよろしいかと思います。

 そうですね。ものの道理が解る年頃になったら子供さんにもどうして飲まなきゃいけないのかよいうことを納得していただくようにするわけですね。わかりました。

 それでは最後にお薬、症状がなくなりますと、飲まなくなってしまうということもあると思うんですがが、薬の保管について注意事項ありましたらご紹介下さい。

 基本的に飲み残しは、処分していただきたいと思います。体重やその時の症状が違ってくるので薬の内容も変わってきます。又、前の薬を服用して余計な副作用が出ることもあります。

 保管場所ですが缶や密閉容器の中に乾燥剤と一緒に入れて冷蔵庫の子供さんの手の届かないところに保管していただければよろしいかと思います。

 また液剤・シロップ剤に関しましては、余った分は処分した方がよろしいかと思います。とっておきますとカビが生えてくる場合がございます。

 また保存期間の目安なんですが、液剤に関しましては、混合液剤これは何種類か混ざっている液剤なんですが基本的に冷蔵庫で1週間また単独の液剤、こちらは冷蔵庫で1ケ月。粉のお薬は2週間くらい。錠剤に関しましては1ケ月。こちらが一応の目安となっております。

 但し、肉眼で見まして変色や味が変わったものはすぐに処分していただきたいと思います。

 それでは最後になりますけれども、お子さんによっては様々な医療機関、例えば、歯医者さん、それから耳鼻科、小児科なんていうふうに色々なお医者さんにかかている場合があるんですが、そういった場合それぞれの医療機関からお薬が出されると思うんですけれど、そういったお薬の管理をどのようにしていけばよろしいんでしょうか。
 現在ですね。お薬手帳の活用ということで薬剤師会のほうでも推進しておりますけれども。これは手帳がありまして、そちらにですね、かかった医療機関でもらったお薬の内容を書いていただきます。そうすることによりまして例えば他の医療機関に行って別のお薬をもらう時に、同じ薬がダブって出ないかどうか、又その手帳を見せることによって自分のお薬の薬剤服用管理ができるということで記載していただくと大変ありがたいと思います。まだ、お持ちでない方は、医療機関やかかりつけの薬局で一度ご相談されてみて下さい。
 はい、わかりました。どうもありがとうございました。
 ありがとうございました。