出演者 長谷川祐一 1999.03.28

さて、いわき市で今月からお薬手帳のサービスが始まったという事なんですが、実は今私の手元にこのお薬手帳が有るんです、大体30ページぐらいの厚さで、お薬手帳と表紙に書いてありますけど、この大きさは保険証と同じサイズですね。

今日はこのお薬手帳についてお話をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。
まずは、このお薬手帳が始まったきっかけという事からお話しください。
お薬手帳の配布については以前から少しずつ行われてきました。今回、厚生省と日本薬剤師会のモデル事業として全国でいわき市が選ばれまして、全国では7地区ほど選ばれたのですが、県内では唯一、我々のいわき市が選ばれました。薬局薬剤師が持つ薬歴という情報源をお医者さんや患者さんと一体となって利用して今後の服薬などに役立てようということになります。

更に災害時などの投薬等にも役立つと期待されておりますので、こういったものをですね患者さんのプライバシーや、個人の尊厳を考えながら使っていこうということになります。

全国で7市という事はですね、日本全国歩いても7つしかないという事なんですが、いわき市が選ばれたきっかけと言いますか、理由っていうのはどういう処にあったのでしょうか?
いわき市の分業率は約40%に達しようとしていますが、古くから分業が盛んでありまして全国的には分業の先進地というイメージがございます。そういった中で選ばれたのではないでしょうか?
なるほど。例えばいわき市の他にどういった地区が選ばれているのですか?
いわき市の他には、札幌・八戸・花巻・日進(愛知県)・三原・小倉(北九州)といった全国各地が選ばれております。
またですね、この事業を活用するにあたって検討委員会がもたれたと聞きましたが、この検討委員会ではどういったメンバーがどういった事を決めて行かれたのでしょうか?
いわき保健所を中心にして、非常に協力していただきまして、いわき市の健康課、それからいわき市医師会、いわき市歯科医師会、いわき市病院協議会、福島県病院薬剤師会いわき支部、福島県看護協会いわき支部、勿論いわき市薬剤師会も入っております。こういった方々で代表をしていただきまして、皆さんで検討を行いました。
やはりですね、普段のお薬を処方する業務というのがただでさえお忙しいのに、こういったお薬手帳、先程もお話にありましたが薬歴を記入してあげるというお仕事が増えて、皆さん大変だなという思いは有りませんでしたか?
まずですね、この薬歴を付けるというのは大変な作業なんですが、なかなかその薬歴を付けてるメリット、或いは、恩恵というのが患者さんの処に見えない形、というか目に映らない形であった訳なんですけども、今回、このお薬手帳を投影する媒体として使っていただきたい、つまり医薬分業による我々がやっている薬歴管理のメリットをここに映し出そうという事がひとつの目的にもなっております。
ではここで、手元にあるお薬手帳を開いて見ますとですね、透明のビニールケースがついてるんですね、それでこれを開いてみるとまず一冊ちょうど表紙のような形になって入るところが有って、また真ん中のところにですね、もうひとつポケットが有って、ここにちょうどもう一冊分入る様になっているんですが、先生ここには何を入れるスペースなんですか?
ええと、いわき市では30歳以上の希望される方に健康手帳を配っているという風にお聞きしてるのですが、その健康手帳、老人手帳という方もいらっしゃいますが、緑と黄色の手帳ですね、これを挟んでいただければ、一体となって持ち運びが出来るのではないでしょうか。
なるほど、ここにお薬手帳があり、健康手帳がありましてそれで保険証が入るポケットが有って、受診証、診察券とか入れるところもあるすごく便利なカバーになってますね。
それで、大体、ご老人の場合ですね、老人保険の受給者証と保険証も入れられますので、ほとんど医療機関にかかるときに必要な道具というか必要なツ−ルは全てここの中には入れられるようにはしています。
以外といろんなものを頂きますので、バラバラになってどこに行ったかななんて探す手間が省けますね。これ一つありますと。
そうですね、老人クラブ等でもですね、こういった一体になる、カバーとかそういったものをお配りしている部分もあるのですが、皆さんとそういった方々と一緒になって、こういったものを便利なツールをお配りするというのも、薬局の役割だという事でやっております。
はい、それで表紙を開いて見ますと、『お薬手帳とは』という風に書いてあります、ちょっと読んでみますね。

『お薬手帳は、あなたに処方されたお薬の名前や、飲む量、回数などの記録、薬歴ですね、を残すための手帳です。この記録がありますと医師や薬剤師がどのようなお薬をどのくらいの期間使っているのかが判断できます。』とまぁ、目的が書いてありまして、お薬手帳の利用方法ですとか、お薬の飲み方、お薬の豆知識なども載っているという事なんですが、先生、このお薬手帳なんですけども、どこに行けば頂けるのでしょう?

今、薬剤師会の会員でこのお薬手帳に賛同される方が、皆さんにお配りするような形になっております。

つまり、町の薬局の保険薬局でですね、これをお配りしています。

じゃあ、「私もお薬手帳が欲しいんです」と言えば、処方していただいたときに頂けると…。
はい、そういう事になりますね

それで真ん中の辺りですね、薬歴を書く処だと思うのですが、お薬と年月日とが入っておりますが、ここには具体的にどの様な内容で先生は書かれるのでしょうか?

私どものほうでは、これの書式の一定化を図るために、いろんな申し合わせをしているのですが、大体、左側のページにですね処方された日付、それから薬の名前、それから用法・用量を書くようにしています。で、右側にはですね、服薬管理の情報、つまりお薬を飲んでいて、飲みやすいとか、飲みづらいとか、薬の飲み忘れする事があって、この薬を飲み忘れするんだよとかそういった事。それから副作用というか、これを飲むとめまいがするんだけど、先生には「我慢して飲んでね」とか言われています。そういった情報を入れてあげる事が出来ると思います。
はい、そうしますと基本的にこのお薬手帳には自分で先生から言われたことを書き留めておかなければいけないんです?
これはあくまでも、患者さんのものですので、お薬手帳には患者さんの意思で書くと言う事ですね。ですから、あの、これ書いてくれという風に言えばですね、我々薬剤師が書くという風になります。あくまでも、これは患者さんのものだという事が大前提で、あのいろんな所に見せる見せないも、患者さんの意思で行ってくださいという事になります。ただいろんな事を書く上で、なかなか書きづらいと言う事は患者さんのご依頼があれば、代筆できますよという部分は我々のサービスの一環としてやっております。
はい、まぁ処方せんなどでしたら、その場で先生に聞けばいいのですけど、例えばご自宅で売薬を飲んでいるとか、そういった場合はその商品名を書くと言った事でよろしいのですか?
ええ、商品名で充分だと思います。それの成分については薬局等で調べていただいて、それも書いてくれと言われれば、書いていただくような体制作りはしております。ただ、あの、本当に特別なお薬で、処方ルートと言うか、そのお薬が入ってくる流通ルートが変わったものとか、希少価値のある医薬品なんかは、ちょっと書けない部分もあるなという風には思います。
はい、先生が先程言われたように、プライバシーの問題ですとかもあると思いますので、その辺はもう患者さんのためのお薬手帳だよということをまずは認識していただくと言う事ですよね。
そうです。先程も検討会の話が出てきましたが、このお薬手帳を運営するにあたっては、その部分を充分気を付けて使っていきましょうという事は申し合わせております。
はい、このお薬手帳を患者さんに発行する事によっての1番のメリットというのはどういう処にありますでしょうか?
このお薬手帳の役割という事でも言っていいと思うのですが、一つはお薬を患者さん、これは岩手県の武正先生という先生がおっしゃてた言葉を引用させていただきますと、お薬を患者さんが安全に飲む、或いは、安全に使うためのお守り、それからお医者様に必要な情報を与える情報源、それと我々薬剤師、お医者さんそして患者様という3つをつなげる、コミュニケーションツールとしての連絡帳的な役割を果たすのではないかなと思います。これは連絡帳ということであれば、患者さんの意思で見せる事が出来れば、介護を受ける際のヘルパーさんや、保健婦さん、それから、介護に関わるソーシャルワーカーさんとか、ケースワーカーさんがいらっしゃいますが、そういった方にも見せることによって、お薬の情報というのが、的確に伝わるんではないかと言う事になりますね。
先程ちょっとですね、お薬手帳を記入するにあたって、患者さんのメリットというところで、もう少し詳しく触れていきたいという事があるという事だったんで、それはどんな事でしょうか?
ええ、お薬手帳を使う最大のメリットはですね、患者さんにとっては重複投与、相互作用の危険な点からですね、患者さんを守るという目的がございます。その為には、このお薬手帳を使って、お薬に関わる医療側のスタッフが、全てその患者さんに対しての情報を持てるいうのが1番のメリットになると思います。

今まででもですね、お薬の重複投与あるいは相互作用によって悲しい事件が起こってますが、お医者さんもそういったものを踏まえて充分気を付けてくれてるんですね。ですけども、やはりそれは100%ではないと、その部分は我々薬剤師と患者さんとこういったツールを使って、完全な形でなるべく安全にこの薬、医療用医薬品を適正に使用していこうということで使っております。

はい、やはりですね、歯医者さんにかかって、この後腹痛で他のお医者さんに行ったと言う事になるとお医者さんが変わると出す薬もどういう風な状況になってるか判らないというのは、多分にあると思いますが、このお薬手帳に記入する事によりまして、その重複投与とかそういった事がかなり避けられてくる様になりますよね。
そうですね、このお薬手帳を使う事によるメリットというのはそういう処にあります。で、とにかく誤解の無い様に言っておきますが、これは先生方も充分に気を付けておられる事なんですね、で、あのお医者さんとか、歯医者さんも充分に気を付けてるんですが、どうしても情報源として欲しいという部分がありまして、そういったものを一つのツールになるんではないかなという事で、我々もこの事業に積極的に参加しております。
また、患者さんとしても、自分がどんなお薬を飲んでいるのかというのを、また改めて興味を持って自分の身体についても興味を持つという良いきっかけになるじゃないかなと思います。

そういう意味で先程も伺いましたけれども、このお薬手帳どの様にして頂けるんでしょうか?

ええ、薬局に行きまして、「お薬手帳に記入していただきたい」という旨を伝えますと、薬局のほうでやっていただけると思います。

また、薬局のほうでもですね、患者さんで、沢山の医療機関にかかっている方や沢山のお薬を飲んでいる方は、結構我々現場でも見受ける事が出来るんですけども、そういった患者さんに「こういったツールがあるんですが、ご使用になっては如何ですか?」というお勧めもしたいと思います。

はい是非ですね、この次処方せんでお薬、薬局に行かれましたら「お薬手帳ください」という言葉をお忘れなくと言う事ですね。
そうですね、数に限りがあるのと、それから一つ書くのに非常に手間がかかりますので、徐々に広げていきたいというのも一つのあれなんですね、ですから、一辺にわーっと広がるものではなくて、少しずつ患者さんに浸透させていきたいなと思ってますので、その辺のご協力もよろしくお願いしたいと思います。
はい、先生今日はありがとうございました。
どうも、ありがとうございました。