出演者 大浦佳奈子 1998.03.27

 今日は嗜好品と医薬品の飲み合わせについてです。それでは大浦さんよろしくお願いいたします。早速なのですが嗜好品という言葉、いろいろなところで耳にすると思うのですが具体的にはどういうものをさすのですか。

嗜好品とは好みのものという意味ですが、生命維持に必要なものと、区別しまして、個人の好み満足させるものといってよいと思います。お酒、タバコそういったものがそれにあたります。薬と薬にのみあわせの注意があるように、薬と嗜好品の食べ合わせによっても薬と嗜好品の食べ合わせによっても薬の作用に影響を及ぼすものがあります。今回はそれについてお話いたいと思います。

なるほど嗜好品というのは食べ物を含めてお酒とかタバコとか好みのものさすという解釈でよろしいですか。 

はい、そうです。

よくアレルギーがあるかどうかチェックするきく時に、コーヒーが好きですか、タバコ吸いますか、などの嗜好品の項目があったような気がしましたね。今、食べ合わせという話があったのですが薬にも飲み合わせというのもあったと思うのですが飲みあわせで体の中でどんな変化がおこっているのでしょうか。

 

口から飲んだ薬は、多くの場合、胃で溶けまして、その後十二指腸から小腸へ移動しながら吸収され、血液に混じって肝臓へ送られます。肝臓では体にとって有害なものを、分解する働きがあり、薬は一部分がここでなくなり、残りが血液にのって全身に運ばれる訳です。飲み合わせがおこるのは、薬が他の成分と反応して、吸収するのを遅らせたり、肝臓での分解の時に手助けをする、薬物代謝酵素というものがあるのですがその働きを強めたり、弱めたりすることで、薬の効果の強弱がついてしまうことになります。

 

薬物代謝酵素というのは難しい言葉なのですが具体的に説明していただけますか。

えーと、肝臓ですと例えばP-450というものがあるのですが肝臓でですね分解してしまうのにそれを助ける酵素というものがありまして、それによってその分解するのが進んでいくものです。こちら肝臓の中で肝臓に有害なものを吸収する分解するということなのでそれを助けると理解すればいいですね。

それでは、具体的にはどういうものがありますか。

薬を飲む際の水分の飲み合わせが一番身近なものだと思います。薬は水か白湯で飲むのが、正しいのは、ご存知とはおもいますが、現実は、手元にある適当な飲み物で服用している例は、少なくないはずです。子供に薬を飲ませる時、ジュースを使ったりすることもあると思いますが、例えば、あのー、血圧を下げる薬の中でも、カルシウム拮抗剤といわれるものは、グレープフルーツジュースで服用してはいけません。

例えば柑橘系の物でしたらグレープフルーツジュースの他はオレンヂとかそういうのもまずいんですか。

いえ、あのカルシウム拮抗剤の場合はグレープフルーツジュースだけで、あの相互作用、飲み合わせが起こるのですと報告されています。

はい、わかりました。それではどんな症状になるのでしょう。

水で服用した場合の3倍から4倍の血中濃度になってしまうため、効きすぎて、血圧が必要以上に下がってしまうようです。これはグレープフルーツに含まれる特有の渋み成分である「フラボノイド」というものが原因であるようです。ですからオレンヂジュースなどでは、そういった影響はないということです。また食あたりの薬を、牛乳で飲んではいけないというのもあります。下痢の時、テトラサイクリン系といわれる抗生物質がよく使われますが、これを牛乳で服用すると、牛乳中のカルシウムと反応し、吸収を妨げてしまうので、薬の効果が下がってしまいます。他にも、喘息の薬をコーヒーで飲むと、副作用が強くなってしまう。頭痛などがおこってしまうことや、アルコールとある種の睡眠薬を飲むと、一時的な記憶障害になることもあります。特にアルコールと薬をいっしょに飲むと、効果が強くでてしまうものもあるので、副作用の面からも、特に注意をする必要があります。

あの手近に薬を飲む為の水または白湯がないときに、とりあえずのまなければならないという時、例えば缶ジュースとか紅茶ぐらいだったらございますよね。それとか場合によっては身近にある水分で飲んでしまうと思うのですけど。

そうですね、あの栄養補給の為のドリンク剤なんかもカフェインやアルコールなども含まれています。そういった物はいっしょに飲むことは出来るだけ避けてもしそういった場合は二時間以上ずらすようにしていただきたいと思います。それから、お茶で鉄剤を飲むと作用が弱まることもありますが、これは、一時間程、あいだを空けて服用すれば問題ないということです。

それでは大浦さんにまたお話を伺っていきたいと思います。今、お薬を飲む時にお水の変わりになるものということでお話しを中心にすすめていただきましたけども食品での飲み合わせもありますか。

 

有名な物で、納豆と心筋梗塞に使うワルファリンという薬の組み合わせがあります。ある例を紹介しますと、心臓手術を受けた男性が手術後、血液が固まるのを防ぐ為に血液凝固抑制剤であるワルファリンを服用していたのですが、効果がみられず、三ケ月後、脳の血管がつまる脳塞栓症をおこしてしまったそうです。食事の内容について質問してみると、夫人が出産で帰省し、独身生活をしなければならなくて、簡単な納豆を副食として週に4、5回たべていたようです。この場合、ワルファリンの飲み忘れもないそうで、納豆が原因で作用が弱まったことが考えられます。

そうですか、納豆っていうと健康食品の代表格みたいな、そういう感じがしますのでねえ、何かつい毎日食べていまいがちですが、こういった納豆が以外にいい結果を生まないようなこともあるんですね。

そうです。 

納豆の何が原因なのでしょうか。

納豆に含まれるビタミンKが原因です。ビタミンKは血液を固める働きがあるので、納豆を食べることで、血液中のビタミンK濃度が上昇し、ワルファリンの作用が抑制されて、血管が詰まってしまったわけです。でも、健康な人には納豆にはナットウキナーゼという血栓予防に役立つ成分も含まれていますのでその働きは複雑でもあります。ビタミンKを含んでいる物には他にも、ほうれん草やブロッコリー等の緑黄色野菜や、少し前話題のクロレラや青汁にも含まれます。ワルファリンを服用している人はこれらの食品の量は控えめにする必要があります。

まあ、青汁でね薬を飲む人はいないと思いますけどそれではどんなことに注意すればよいのでしょうか。

今回紹介したのは、ほんのさわりともいえますが、心配せず、このようなことは、医師、薬剤師がきちんと説明してくれます。ただ、これから、薬局、薬店でしか売っていない医薬品の中でも、ビタミン剤、シップ剤、かぜ薬やドリンク剤、こちらはコンビニで簡単に買えるような時代が近い将来くると思いますが、ぜひかかりつけ薬局をできるだけもっていただきたいと思います。そして何か疑問点があったら、医師や薬剤師へどんどん聞いていただきたいと思います。