出演者 三藤由美子 1998.02.27

現在いわき市内だけでなく全国的にインフルエンザが流行しているようです。この他にも伝染病はかなり多く世の中にはあるようです。このような伝染病に対する有効な対抗策といたしましてまず予防接種があげられるのではないでしょうか。ということで今日の心と体のクリニックは予防接種について伺っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。さて予防接種でありますけれども以前、私たちのころは義務ずけられていたようなきがするのですが今はそうではないというお話をうかがいましたが。 

はい平成7年からは保護者側が予防接種をよく知った上で受けるように努力するというものに変わっております。

 そうすると保護者の方ご自身が予防接種をするかしないかという判断をしなくてはならないと思いますが、では、まず、早速ですがどういう目的でそして何のために予防接種は受けるものなのでしょうか。

子供は病気にかかりやすくてかかると重くなることがありますから病気にかからないように守ってあげるという目的で接種を行います。予防接種は、かかると症状が重くなって命にかかわる恐れがあったり重い合併症が起きたりするのを防いだりかかっても軽くすむようにワクチンを接種して病気に対して免疫をつけるものです。

なるほどこの予防接種にはあの・・公費いわゆる国ですとかそういったところのお金で受けることが出来る勧奨接種というものそして希望した方が自分のお金をだしてうける任意接種というものがあると聞いたのですけれども、それぞれ対象となる病気にはどういったものがあるのでしょうか。

まず勧奨接種の方にはポリオ、三種混合これはジフテリア、百日咳、破傷風、麻疹、風疹、日本脳炎、BCGがあります。任意接種の方にはインフルエンザ、おたふくかぜ、水痘、B型肝炎、A型肝炎があります。

はい、いろいろな予防接種があるということなんですけどもそれではその種類とその特徴についてお話を伺っていきたいと思います。

 

はい、予防接種で使うワクチンには、生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドの3種類があります。生ワクチンは生きた病原体の毒性を弱めたものでその病気にかかったときに近い免疫を作るものです。接種後から体内で病原体の増殖が始まりますのでそれぞれの性質に応じて発熱や発疹の軽い症状がでることがあります。十分な抗体が獲得されるのに約1ケ月かかります。あの定期接種のワクチンではポリオ、麻疹、風疹、BCGがこれにあたります。任意接種ではおたふくかぜや水痘です。つぎに不活化ワクチンですがこれは病原体を殺して免疫を作るのに必要な成分を取り出し毒性をなくして作り出した物です。その場合、病原体は体の中で増殖しませんので何回か接種して体に記憶させて免疫を作ります。一定の間隔で数回接種し初回免疫をつけた後、約1年後に追加接種して免疫が出来上がります。でも放置しますとまた少しずつ抗体が減ってきますので長期に免疫を保つ場合にはそれぞれの性質に合わせて一定の間隔で追加接種が必要です。定期接種のワクチンには百日咳、日本脳炎がこれにあたります。それとトキソイドですが、これは細菌が産生する毒素を取り出して毒性をなくしたものです。基本的には不活化ワクチンと同様ですので何回かの接種で免疫をつけます。定期接種のワクチンではジフテリア、破傷風がこれにあたります。

大きく分けて3つの種類、生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイドの3種類あるというふうに伺いましたけども、これら予防接種の効果的な受け方もいろいろあると思います。受ける時期ですとかその受ける年齢、それから一定の間隔でうけなければならないものがあるということですのでこの接種間隔などについてお願いできますか。

その病気によってお母さんからもらった免疫がありますので、その時期を過ぎますと自然に失われていきます。例えば麻疹やおたふくかぜは生後8ケ月頃までですので予防接種は1歳を過ぎてからと定められています。百日咳や水痘は生後3ケ月くらいまでですので、それ以降と定められています。これは役所の保健衛生課から教えていただけると思います。

さきほどの種類のお話の中で一定の間隔をあけて接種するというものがありましたけれどもこの間隔についてはいかがでしょうか。

はい生ワクチンを接種した場合4週間以上空けるということですがウィルスが体の中で増殖するのに5日から10日かかります。生ワクチン接種による体への影響は3週間くらい続いてそれ以降は接種前の状態に回復しますので、そういう理由から4週間以上あけた方が望ましいということです。それと不活化ワクチンを接種した場合は1週間というのは一般的に副反応が出現するのが接種後3日以内ですので余裕を見て1週間ということです。

はい、なるほど。生ワクチンを接種する場合はこれは、守らなければならない順番などはあるのでしょうか。

はい、特に守るということではないのですけれども、通常は勧奨接種、BCG、ポリオ、麻疹、風疹が終わってから次に任意接種を行うのですが。おたふくかぜ、水痘の順に接種を行うのが良いとされています。

で、それでは、予防接種を受ける前と受けた後では注意しなければならないことはありますでしょうか。

はい、ワクチンには抗原のほかに培養に使う卵の成分とか抗生物質、安定剤などが入っていますので、これらにアレルギーがあるかどうか、それから、麻疹や風疹、おたふくかぜ等の病気が流行している時とか、あとはお子様の受ける時の体質や体調に気を配っていただきたいと思います。

あのたとえば麻疹なんかで近くに麻疹にかかっているお子様がいて、この子とおしゃべりしたり、遊んだりしたんだけれども直後であれば予防接種が間に合うという話も聞いたことがあるんですけれども。

麻疹ではなくておたふくかぜや水痘であれば3日以内72時間以内に接種すれば間に合うということです。

あーなるほどおたふくかぜや水痘、この場合だと間に合うということですね。

はいそれから接種をうけた後は生ワクチンでは2,3週間、不活化ワクチンでは24時間は副反応の出現に気をつけてください。で、接種当日はいつも通りの生活で差し支えありません。お風呂もはいってかまいませんが激しい運動は避けた方がよろしいと思います。

先ほどのお話で副反応という言葉がでてまいりました。あまり耳なれない言葉なんですが、この副反応というのはどういったものをさすのでしょうか。

はい、副反応とは接種を受けた際に起こる、その病気以外の反応、薬でいう副作用のようなものです。

実際の病気の症状とそれぞれの副反応の症状について、ご紹介していただけますでしょうか。

はい、まずポリオですが、これは小児マヒとよばれています。ポリオウィルスは人から人へと感染します。感染した人の便中に排出されたウィルスが口から入り咽頭又は腸に感染します。症状が出る場合ウィルスが血液を介して、脳、脊髄へ感染して麻痺を起こす事があります。ひどい下痢をしていますとウィルスがつきにくいので予防接種を行うときはお子さんの体調によって気をつけていただきたいと思います。次に三種混合の中の百日咳ですがこれは普通の風邪のような症状で始まります。続いて咳がひどくなり顔を真っ赤にして連続して咳こむようになります。咳の後、急にいきを吸い込むようになりますので笛を吹くような音が出ます。熱は出ません。乳幼児では咳ができずにチアノーゼや痙攣がおきることがあります。肺炎や脳症などの重い合併症を引き起こす事もあります。次に三種混合の中のジフテリアですが感染は主に咽喉ですが鼻にも感染します。症状は高熱、咽喉の痛み、犬が吠えるような咳、嘔吐などです。これは発病2〜3週間後には菌の出す毒素によって、心筋梗塞や神経症を起こす事があります。もうひとつ破傷風ですが破傷風菌は人から人に感染するのではなくて土の中に潜んでいて傷口から人に感染します。傷口から菌が入り体の中で増えますと菌の出す毒素のために口が開かなくなったり痙攣を起こしたり死亡したりする事もあります。患者の半数は自分で気付かない程度の軽い傷が原因です。日本中どこにでも土の中に菌がいますので、感染する危険性は常にあります。副反応ですがあの〜今は新しい副反応の少ない精製された新型ワクチンを使っていますので副反応の方はそれほど気をつけなくても大丈夫だと思います。麻疹と風疹につきましては症状に関しましては皆さんお分かりの事と思いますのであの副反応について、こちらは軽い発疹、発熱程度です。日本脳炎の症状ですが、日本脳炎ウィルスの感染で起こります。人から直接ではなく豚の中で増えたウィルスが蚊によって媒介されます。症状は高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、痙攣などの症状をおこす急性脳炎です。副反応としましては二日以内に37.5度以上の発熱、それから発疹や圧痛もまれに見られます。おたふくかぜは症状の方は皆さんお分かりになると思いますのでそれにかかった場合の副反応として無菌性髄膜炎、口蓋炎、難聴などをおたふくかぜワクチンの副反応として起こる同様な症状の頻度は自然感染に比べましてはるかに低いので早めの予防が適切と考えられます。

はい、副反応についていろいろお話を伺いましたけど最後に副反応と思われる症状が出た場合どういうふうにすればよろしいのでしょうか。

それはもう出来るだけ早く病院に行っていただいて診察を受けてください。

はい分かりました。それでは最後にリスナーの皆様にメッセージをお願いいたします。

はい、この病気ははやっていないので予防接種は必要ないと思う方もいらっしゃると思います。でも予防接種で抵抗力をつけているから病気の流行を抑えられていますので出来るだけ予防接種は受けた方がよろしいと思います。

はい、よくわかりました。今日はどうもありがとうございました。

ありがとうございました。