出演者 若松伸洋 1997.7.25

 薬についての心構えをお聞きします。

 薬というものは体のしくみや自分の体の特徴を考えて使えば、その効果を最大限に引き出すことが出来ます。疲れていると自分の一番弱い所にそのしわ寄せが現れると言われていますが、これは「注意せよ」と言う体からの信号なのです。その時どう対処するかが大切です。私たちは誰でも自然治癒カを持っています。薬はこの力が充分でない時に、手助けをしてくれるものなのです。もし 薬でわからない時や、不安を感じる時には、薬剤師にお聞き下さい。さらに大切なことは「病気を治すのは自分である」という心構えが必要なのです。
 薬をのめば治るのではなくて 薬をみかたにつけながら治していくと言う自分自身の意思が必要であるということです。その事をふまえて 今日は福島県病院薬剤師会の副会長さんとしてお話を伺いたいのですけれども、病院薬剤師、ちょっと そういうふうに言われると耳慣れない気がしますが、このお仕事と役割について 伺いたいのですが、まず 役割、どのような役割があるのでしょうか?
 簡単に言いますと患者さんが病気になり病状が不安定な時に入院され、薬とか もろもろの治療により病状が安定して退院となります。退院後の安定した病状の患者さんの内服薬をフォローするのが開局薬剤師であり、入院して病状が不安定な患者さんの注射薬や外用薬、飲み薬のチ,エックを行い退院するまでの間フォローするのが病院勤務薬剤師の役割。このように考えていただければいいのではないかと思います。
 役割のお話は うかがいましたが、具体的にはどのような仕事とされていますか?
 大きく分けて 6つの仕事内容になります。ひとつ目が 調剤 ふたつ目が薬品管理、三つ目が製剤、四つ目として注射薬、それと五つ目として医薬品情報、最後に薬剤管理指導、この6つに分けられると思います。
 調剤、薬品管理、製剤、注射、医薬品情報、薬剤管理指導、この6つということですが、それぞれについて くわしくお話いただけますか?
 それでは 一番初めの調剤に関してですが、これは 入院、外来の患者さんの服用する薬品を医師の処方箋に従って調剤をしています。この時常に薬剤師の立場で医師の処方をチェックし疑問があれば必ず確認するという重要な事もしています。二番目の薬品管理についてですが薬品がいつも最適な状態にあるように、有効期限、温度、湿度、品質管理をチエックしている。 三番目の製剤、これは その患者さんにあった薬品が市販されていない時など、医師の依頼に基づいて、病院独自の薬を調製する。四つ目の注射、注射剤は一般に飲み薬より作用が強いため、特に慎重に投与しなくてはなりません。ですから入院患者さんに使う注射剤を「注射処方箋」に従って調剤し、その際、薬剤師が注射剤の組合せや使う量をチエックするため、より万全を期した治療を受けることができます。五番目の医薬品情報、薬の情報といっても、投与方法、投与量、薬理作用、相互作用、副作用等ひとつの薬の中にも山ほどの情報があります。それらの情報を整理して医師や医療従事者に提供したり、薬に関する問い合わせに答えています。最後に薬剤管理指導という仕事ですが、入院患者さんのベットサイドヘ出向き、その患者さんのお薬の説明や飲まれている薬によって副作用がでていないか そのへんのチェックをしています。
 わかりました。大まかに分けて六つの仕事にわかれるということですが、最後にあげていただきました 薬剤管理指導、耳慣れない言葉ですが こちらについてのお話を伺いたいと思います。
 薬剤管理指導業務とは 比較的新しい仕事内容になっていますが どういったことかというと 「患者志向のファーマシューテイカルケアの観点から、病院薬剤師の調剤、医薬品管理、医薬品情報管理、薬歴管理及ぴ服薬指導等の入院患者への薬学的な幅広い技術・技能を評価したもの」という定義があります。
 一番最初に ファーマシューテイカルケアという キーワードがでてきましたが これはどのようなことでしょう?
 ファーマシューティカルケアとは、患者さんのQOL(QualityofLife)を改善するという成果が目的であり、そのために責任を持って直接患者さんに薬に関するケアを提供すること。ちょっと 難しいかもしれませんが 一応、こういう内容になっています。現在の病院薬剤師は、外来患者さんの調剤におわれ、入院患者さんの服薬指導まで手が回らないのが現状です。昭和63年から病院薬剤師の業務として薬剤管理指導が認められ、平成6年より承認制度から届け出制度に緩和されて、いわきでも6ヶ所の病院が認可を受けています。院外処方箋を実施している病院では、この業務がかなり進んでいます。外来処方を院内で行っている病院では少人数の患者さんにしかできないのが現状です。今後院外処方実施率が上がり、薬剤師の
役割分担が進めば、病院勤務薬剤師は、チーム医療に参加し、薬物治療情報を基に最良の患者サービスの向上に貢献できる。このように役割分担が明確になれば、かかりつけ薬局の薬剤師と病院勤務薬剤師のさらに密なる情報交換が必要であると思います。
 そうしますと 今、チーム医療というお話だったですが チーム医療とは 最近よく耳にする言葉ですが 私自身、よくわからない言葉です。
 チーム医療とは 言葉から考えれば 病院であれば 先生を中心とした医療チームというふうな考えが浮かぶと思いますが まず、現在使われているチーム医療ということは 患者さんを中心にして患者さんをケアするために 医師、看護婦、薬剤師、検査技師、レントゲン技師、いろいろな医療従事者が手をくんで 自分達の役割を守り、患者さんをケアするという こういうふうなことをチーム医療と定義づけています。
 外来処方を院内で行っている病院が、院外処方を実施していけば さらにこのチーム医療が進んでいくということですね。今日のテーマだった 大いに薬剤師を活用しよう ということですが 上手な薬剤師との付き合い方の方法のアドバイスを。
 一番 大切なのは、薬の名前を知っていた方が 良いということ。例えば 今回、阪神の方で 大災害が起きましたが 医療機関も被害にあって 薬の手配ができない状況があったわけで 患者さんの中で今まで飲んでいた薬の名前を知らないかたが 大勢いてより良い治療ができなかったという事例があります。もう一つ 旅行など旅先で薬を無くした、盗まれた時 自分で飲んでいた薬のメモがきがあれば それを先生に見せれば 適切な治療が今まで飲んでいた薬で引き続き治療ができると、こういったことがあります。このように薬の名前のもつ意味はそれだけ重要ですから薬剤師に申し出て自分の飲んでいる薬の名前を知ってほしいと思います。
 旅先とか 思わぬトラブルに巻き込まれたときにも 薬の名前さえ知っていれば 日本全国どこでも 処方してもらえますね。
 国内だけでなく 外国でもそうなるとおもいます。
 それから何らかの事情で 入院した場合、病院勤務薬剤師とのお付き合いの仕方はどうでしょう。
 病院に入院した時 例えば、自分又は、家族が入院した時、病院の医師から治療について説明を受けた後、患者さんから薬については薬剤師に説明をお願いしたいと言ってもらえれば薬剤師が、病棟へ行って患者さんに いろいろ薬の飲み方から副作用チェックまで色々な情報を得ることができる。こういったメリットがありますので 自分で薬を管理して薬剤師からアドバイスしてもらった方がよりベターだと思われます。

 

 今日のテーマは 大いに薬剤師を活用しよう ですが 最後に何か リスナーへ メッセージがありましたら
 いつでも健やかでありたいとの願は、誰にでもあると思います。自分の健康管理についてや、病気になった時の対応についてなど、薬を味方にするために〜大いに薬剤師を活用していただきたい〜と思っております。
 ありがとうございました。