出演者 近藤俊昭 1997.5.23
今日は薬剤師の仕事の内容についてお話しいただけるという事なんですが、先生よろしくお願いします。 それでは早速なんですが、薬剤師の内容について教えてください
はい、薬剤師の種類にはいろいろあるという事をご紹介したいと思います。皆さんが日常生活の中で目にしたり接したりする薬剤師は一般の薬局或いは病院薬局の薬剤師になるかと思います。事実それらの薬剤師が全体の中での大多数になります。しかし皆さんにはあまり馴染みの無い薬剤師も小数ですが居るわけです。例えば製薬会社、薬事行政、環境衛生、食品衛生、学校薬剤師、薬品の流通などに携わっている薬剤師です。現在ではどうかわかりませんが、過去には高校の先生になっている人も居たんですよ。
そうですか、随分多方面において活動されているということなんですが、それではそれぞれについて少し詳しくご説明していただけますか?
そうですね、日本には約2000社程の製薬会社がありますが、いわき市内にも数社の製薬会社があります。製薬会社には新しい薬を作るための情報の収集とか研究室に勤務している薬剤師が居りますし、そうして出来上がった薬の効能、効果、特徴、使い方、使用上の注意、副作用など専門的な情報の提供に携わる薬剤師も居ります。そして医薬品を扱う営業所には必ず管理薬剤師というのが居ります。また日頃皆さんには献血で大変ご協力頂いておりますが、その血液の製造管理にも薬剤師が関与しており、市内にも日赤の血液センターがあることはご存知のことと思います。
今、献血のお話が出ましたが、先月のこの医療最前線で献血のお話をお伺いしました。現在のいわき市の献血状況というのは如何ですか?
はい、需要と供給のバランスが大変崩れておりまして、需要に対する供給の割合が少なくこの面でも皆様のご協力をお願いしたいと思います。
そうしますと、血液の提供者が少ないという事ですよね。その少ない分というのはどのようにして補っているのですか?
これはですね、あの県全体の単位がありまして、福島県が足りない場合は他所の県から借りて一時しのぎをするという建前になっておりまして、そういう意味では他の県からだいぶ借金があるということになるかと思います。そういうこともありまして、是非皆様のご協力をお願いしたいと思います。
はい、わかりました。それでは続きまして、薬剤師さんのお話を聞いていきたいと思うんですが、先程の製薬会社の薬剤師についてお話を伺いましたが、今度は薬事行政の薬剤師さんについてお話いただけますか?
はい、行政の面でも活動しております。保健所の業務を思い出していただければ予想出来ると思いますが薬、特に麻薬や覚せい剤についてそれぞれの法律に従って正しく流通しているか?使用に際して問題は無いかとか等の監視、指導。更には環境衛生面では車の排気ガスの測定調査、産業廃棄物の指導、学校等のプール、大気汚染の検査、そして、また昨年からO-157による感染症が社会問題になっておりますが、そんな中での食品衛生の監督指導など、多岐に亘っています。
あの、今O-157による感染症というお話が出ましたけども、保健所に勤める薬剤師さんがこういった飲食店とか、そういう所の監督をされていると理解してよろしいのでしょうか?
はい、そうなんです。あの、それは飲食店或いは旅館或いはスーパーなどの生鮮食品についての監督、指導そういう事も行っております。
そうですか、それからあの学校等のプール、これはかなりリスナーの皆さんにも身近な事かなと思いますけれども、こちらの方はどのような調査等をしてるのですか?
はい、あの学校薬剤師の場合はですね、常勤というわけではないんですけども、必要に応じて例えば夏の間ですと、プールの塩素の消毒剤の検査とか、それから教室内の光の具合、ルクス(lx)とか、或いは教室内の空気の汚染とか、そういう検査もしております。
そうですか、一口に薬剤師さんと言いましても私達は先程、先生からもお話し出ましたが、あの、いわゆる薬局に勤めていらっしゃる薬剤師さんというイメージが大きいのですが、このようにいろんな場所で活動されてという事がよくわかります。(ここで曲挟む)

それでは先生、いままで薬剤師全般の話を伺ってまいりましたが、実際、近藤先生の御仕事の分野はどんな処なんでしょうか?

はい、薬の流通の中の卸業に勤務しております。管理薬剤師としての仕事をしております。薬の種類には色々ありますが、大別して一般用医薬品と医療用医薬品に分けられると思います。一般用医薬品と言うのは町の薬局で扱われる薬で皆さんが日頃風邪薬とか胃の薬、或いはビタミン剤などでお馴染みのものが多いと思います。約3万種類あると云われております。一方、医療用医薬品と言うのは皆さんが病院、診療所等でもらったり、医師の処方箋を持参して調剤薬局でもらったりする薬で、別名、保健薬とも言われております。今年4月の発表によれば約1万2千種類になります。その他にも試薬、動物薬、農薬などがありますので、それらを加えれば膨大な種類になります。
そうですか、それらの膨大な薬をどのような方法で管理されているんでしょうか?
これらの医薬品は温度、湿度、光などの外的条件によって変質しやすいものもあります。入庫から出庫までの保管状態をチェックしたり、有効期限を確認して在庫を管理するのが卸の薬剤師の主な仕事になります。そして、病院や薬局で安全に適正に使用される様、速やかに供給するのが卸業の仕事です。その他にも社員や御得意様からの疑問や質問に対し、対応したりということもあります。
今、疑問や質問というお話が出ましたが、どのようなご質問が出るんですか?
はい、錠剤の鑑別とか或いは副作用それから薬と食品の飲み合わせについての質問などがあります。それから2年前の阪神淡路大震災のときには医療面で大変混乱があったと聞いております。それらを教訓として災害時の医薬品の備蓄についても対策を立てております。
そうですね、あの時は突発的な地震だったので、かなり、この薬以外の面でも支障をきたしたといいますか、物不足になったと思うんですけどこの辺のお話というのは具体的に聞かれましたか?
あの、震災時にですね各方面から援助の薬品が届いたのですが、それらの薬品に関する予備知識が係の方に無くて、どの薬をどの診療所に送っていいか分からないというようなことがありまして、その辺についてだいぶ混乱があったようで、その辺は管理薬剤師が居ればもっとスムーズにいったのではないかと思われます。
 
そうですか、それでは今回の阪神淡路大震災、これを教訓に今後はこういった震災時または災害時の体制というのも整っていけばいいかなと思います。それでは最後なんですが、これからの抱負などをお聞かせ頂けますか?

 

そうですね、日本は世界一の長寿国になりましたがそのスピードは他の先進長寿国に比べて約4倍の速さがあると云われて居ります。その背景を考えますと個人の健康に対する意識の高揚と共に世界的にも優れた医療保険制度の充実が挙げられると思います。さらにこの制度の中での医療の進歩があったからといえると思います。その薬物療法の面でこれからも皆さんの健康保持と増進、高齢社会の充実のため医薬品の流通と言うささやかな一翼ではありますが努力していきたいと思っております。