出演者 草野光正 1996.12.27

健康は,私達の願い,そしてかけがえのない宝物です。この時間では皆さんとともに,健やかな心とからだを大きく育んでまいりたいと願っています。

---いわき医療最前線---

健康で心地よい毎日の為に是非お役立て下さい。

心とからだのクリニック。今日のこの時間は,いわき市薬剤師会副会長の草野光正先生にお話をうかがいます。聞き手はディレクターの曽我泉美です。それでは先生今日はよろしくお願い致します。

今ですね薬屋さんに行っても棚にたくさんの薬が並んでますし,それから,病院で処方箋として出して頂けるお薬のほうも,ずいぶんたくさんの種類があると思うんですね。こういったお薬を正しく使うための知識といいますか,そういうのまだ私達にとっていまひとつ薄いような気がします。それで今日はお薬を正しく使うというテーマでお話頂きたいと思います。 

はい。ある全国調査によりますと,病院でもらった薬を飲み残したり,あるいは飲まなかったりという方の率が約70%もあり,また,薬に対する不安や不満を感じている人が約60%,そしてその薬について聞いたり調べたりしない人が50%以上というデータが出ております。まさに情報不足による増え続ける薬と,捨てられる薬の悪循環なんですね。
増えつづける薬と捨てられる薬。なるほどそれはどうしてなんでしょうか?
はい。原因はいろいろあると思いますが,薬を使う人の薬に対しての過度の効果を期待しての頼りすぎ,さらに,薬に対しての副作用を恐れて,薬の服用が消極的になってしまう,というのもその一因かと思われます。
はい。薬を使う人の薬に対しての正しい知識が不足しているという事ですね。
はい。そういうことだと思われます。皆さん,お薬を服用していて次のような疑問をもたれた事はありませんか?病院や医院で頂いた薬と,薬局・薬店などで買った薬を一緒に服用してもいいのかな? ジュースや牛乳で服用してもよいのかな? お薬を飲み忘れてしまったらどうしたらよいのかな? など
ええ。あの実は私もですね漢方薬は白湯とかお茶で飲んでもいいけれども,普通の薬は水で飲みなさいとか,そういう事がよくわからない時よくあるんですけれども。
ええそうですね。一応漢方薬なんかは食前服用というような事を指導されるかと思いますが,それほど食後に飲んでも忘れて飲まなかった時よりは,効果がでますのでそんな時には,食後でもかまわないと思います。
それからですね,例えば食後30分とか明記してある時がありますけれども,ただの食後という時もありますし,そういう時はどうしたらいいんですか?
はい。薬品の種類によってではですね,例えば,どうも食欲がないとか,消化が思わしくないとか言うような場合に,ご飯食べてすぐいわゆる食直後ですね,そんな場合に飲んだほうがいいようなお薬もありますが,通常ですと食後といいますと,食後30分というのがだいたいの目安になっております。
ありがとうございます。でもね私のようにこのように直接薬局の先生に聞けるという機会がない方は,例えばですねあの,診察に忙しいお医者さんに聞いたりとか,薬の出来上がるのを待っているいっぱいの患者さんが後ろに控えていては,薬剤師さんに聞くのもずいぶんどうしようかなって迷う所なんですけれも。
そうですね。そんな時に前回のこの番組の薬剤師会担当の放送の中に出てきたと思うんですが,いわゆるかかりつけ薬局で相談をして頂ければ,お薬についての正しい情報を詳しくゆっくり得る事が出来ると思います。
このかかりつけ薬局という言葉ですが,よくかかりつけのお医者さんというのは聞くんですけれども,かかりつけ薬局というのは具体的にはどういった事なんでしょうか?
そうですね。家族ぐるみでですね常日頃,軽度医療といいますか,お医者さんに行く必要もないという程度の病気にかかられた場合にお薬を買って利用するわけですが,患者さんがお勤めになっている会社の近く,あるいは通勤途中にある薬局や自宅近くの信頼のおける薬剤師さんのいる薬局をかかりつけ薬局として,いろいろ相談する事が出来ると思います。
ではお薬に関する事でしたら,どんな事でも教えて頂けるんですか?
はい,そうですね。病気の治療の妨げになるような内容,例えば,まだ告知されてないガンあるいは精神病など,特別な病気に使用するお薬などについては,全部説明して頂くというわけには行きません。がその他のお薬の使用に際しての正しい情報などは,教えて頂けるものと思います。
その薬についての正しい知識を得るというのは,どういう事なんでしょうか?
はい。お薬を使う人が薬についての知識ですね,それから心構えや自覚を持つ事によってですね,自分の病気を自分で治療するのだという意志決定がなされて,服薬をはじめとした,まあお薬を飲むと言う事ですね,そういった事を始めとした,療養に専念する事が出来るわけです。薬剤師はそういった場合にお薬のチェックをして使う人毎に見合った手助けをさせて頂くと言う事になるわけです。今後医薬分業がよりよい進展を見せ,わが国に定着させるためには,国民・患者さんの目に見える形でのメリットを提供して行かなければなりません。そのために,私どもの薬剤師会において,いろいろな取り組みをしている所ですが,そのような取り組みの1つとして,今年から “Get The Answers キャンペーンを展開しておる所でございます。
はい。このGet The Answersこの取り組みについては,後段で詳しくお話をうかがいたいと思います。ここで曲を一曲お聞き下さい。

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いわき市薬剤師会副会長の草野光正先生にお話を伺っています。先生早速ですが,前段でGet The Answers運動という言葉が出ましたが,それについて詳しくうかがっていきたいと思いますが。

はい。お薬を薬局から頂く時,使用に際しての5つの大切な事柄について,気軽に薬剤師に質問して,答えてもらおう運動の事です。
それでは,薬剤師さん対してどの様な質問をすればよいのでしょうか?
はい。まず第一にお薬の名前ですね。現在わが国で市販されている薬の数は,数万におよんでおりその中で,医療用に使用されている数は,1万4千余りあります。全く同じ内容の物でも数十社の製品があります。他に飲んでいる薬がありますかと患者さんに私どもが質問した場合,白い錠剤とかブルーのカプセルとかという事で,お答え頂く場合がありますが,そういった色や形で薬の名前を特定するという事はまず不可能です。

第2点目はそのお薬が,何に効くのかという事です。ごくまれな場合を除いて,お薬のもつ効能が1つだけという事はありません。患者さんの病状に見合った効き目について説明して頂けると思います。ただこの場合,処方されたお薬が必ずしも直接的に効き目を発揮させるという使い方をするとは限りませんので,その辺は納得してもらわなければなんない時もあります。

第3点目なんですが,使用するに当たっての注意点です。お薬の使用方法,いつまで使用するのか,あるいは使用する上で,特別に注意する事があるのか,日常の生活上におけるしてはいけない事なども含めてです。

はい。この第1点目にお薬の名前。2点目にそのお薬が何に効くのか。そして3点目には,使用するに当たっての注意というこのお薬の使用に際しての,基本的な情報をとりあえず聞いてくださいというのがGet The Answers運動と理解してよろしいですか?
はいそうですね。さらに2点ほどあるんですが,第4点目,これはあのお薬を頂いた時誰でも関心を持つ事なのですが,副作用の事です。本来,どんなお薬でも人間の体にとっては異物です。その作用が薬の副作用であると気付かないでおる時事故が発生しやすいわけです。お薬の持っている副作用を承知の上で使用する時もありますし,その副作用がお薬の効き目の目安にする事もあります。例えば,心臓の働きが弱い方が働きを強くするというよな場合に使うお薬なんですが,まあ今は血中濃度というものを測るわけですが,吐き気が出るというよな場合にこれはその薬が体の中で,効き目を発揮する濃度に達しているなという判断をするわけです。また日常の生活において危険をもたらすような副作用については,服用前によく知っておかなければなりません。例えば,風邪薬や血圧を下げる薬などを服用した場合に,眠気とかふらつきというよな事が,車の運転とか危険な作業をなさっている方には,大変危ない副作用と言う事になります。

最後に第5点目なんですが,他のお薬あるいは食べ物・たばこなどの嗜好品との飲み合わせについてです。まあ相互作用という言い方をしてますが,場合によってはこのお薬同志の作用を利用する事もあります。がしかし,副作用が発生する割合が増えると言う事です。ま通常お酒などはお薬の服用している間はまずいだろうなと誰もが承知しているわけですが,タバコなどがある種のお薬の作用に影響すると言う事は,なかなか一般の方にはご存知ないと言う事だと思います。これは,喘息の患者さんが使うお薬なんですが,たまたまタバコを常用していたという患者さんが,喘息の発作が起きたと言う事でお薬を飲んでおるわけですが,なかなかタバコはやめられないと,ところが発作がなかなか治らないので,これはタバコが悪いんだなと言う事で,タバコをやめたりしますと,その喘息の治癒のために服用していた薬の体の中での濃さが急に増えてしまったりして,思わぬ副作用が出たりする場合があるわけです。

以上の五つの事について情報が得られれば,患者さんはお薬の服用の意義が理解され,いっそう有効で安全な薬の治療が受けられるわけです。

はい。それでは,Get The Answers運動というのはまとめますと,まずお薬の名前,それからお薬が何に効くのか,そしてお薬を使用するにあたっての注意点,それからお薬の副作用,そして飲み合わせこういった事を薬局の方に聞いて欲しいというのが,このGet The Answers運動といえますよね。それではですね,最後になりますけれども,今後の薬剤師会としての目標といいますか,そういった豊富がございましたら,教えて頂きたいんですけれども。
はい。先ほども話の中にちょっと出て来たのですが,今後ですねかかりつけ薬局というそのま自宅の信頼のおける薬剤師さんがいる薬局の利用の仕方という事についてですが,薬をもらうことはもちろんなんですが,今後近い将来に必ず迎えるであろう超高齢化社会においてですね,自分のお家で医療を受ける機会が多くなってくるのではないかと思われます,寝たきりの人が在宅で治療する時に必要な様々な情報や介護用品の提供,終末医療を自宅で受けようとる人への血管を利用しての栄養の補給をするための製剤やお薬の配達などの要求にこたえられるようかかりつけ薬局の整備に努力しておる所です。今後そういった事に関して,ご利用頂けれ幸いと思います。ありがとうございました。
はい。先生ありがとうございました。今日は,お薬の正しい使い方のためにというテーマでお話頂きました